尾瀬とは

総面積約37,200haの尾瀬国立公園は、栃木県、群馬県、福島県、新潟県の4県の山岳地帯に広がり、国立公園として2007年8月に29番目に指定されました。

尾瀬ヶ原やアオモリトドマツなどの針葉樹に囲まれた尾瀬沼などを取り囲むように百名山で名高い至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、少し北に離れた所に平ヶ岳などの2,000m級の山々が位置しています。中でも燧ヶ岳は東北以北で最高峰です。

尾瀬ヶ原

尾瀬ヶ原は標高1,400mに位置し、東西約7キロ、南北約2キロに渡り盆地状高層湿原を形成しています。何本もの小川(沼尻川、六兵衛堀など)を集め只見川となり、平滑ノ滝、三条ノ滝を作って、奥只見ダムへと流れ込みます。

尾瀬ヶ原の湿原は上田代、下田代、中田代の三つに区分され、多くの池糖(ちとう)が点在し、900種類を超える高山植物が花を咲かせると言われています。

尾瀬沼

尾瀬を代表する景勝地として尾瀬沼は欠かせません。標高1,650mの高地にある尾瀬沼は、燧ケ岳の噴火によって只見川の源流部が堰き止められて出来た湖で、周囲約7キロ、周辺部には大小1500余りもの小沼や池塘が点在しています。日本屈指の広大で美しい高層湿原といえます。

尾瀬の季節の移ろい

5月 尾瀬に咲く水芭蕉とリュウキンカ

水芭蕉とリュウキンカ

5月中旬から雪解けが始まり、ハイキングシーズンの幕開けです。5月下旬には「赤渋・あかしぼ」と呼ばれる雪の表面が赤褐色に変わる不思議な現象が現れます。僅か数日間だけ現れる自然現象です。

そして5月下旬は水芭蕉が一斉に咲き始める季節でもあります。リュウキンカやサンリンソウと共に尾瀬のベストシーズンに入ります。まさに尾瀬の風物詩とも言える風景になります。

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1

6月 ワタスゲやレンゲツツジ

6月初旬頃からワタスゲの白い花穂が湿原を覆うと、しばらくして6月中旬頃にレンゲツツジの季節に入ります。

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7月 ニッコウキスゲ

7月中旬頃から下旬にかけてニッコウキスゲが見頃となります。

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9月 草紅葉

9月下旬から広葉樹林帯は次第に赤や黄色に変わり、絶妙なコントラストを描き出します。

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10月 紅葉

10月22日、 10月中旬になると尾瀬の紅葉は終わりを告げ、少し下の尾瀬戸倉~鳩待峠の県道尾瀬ヶ原土出線の紅葉が綺麗になります。県道尾瀬ヶ原土出線に沿って流れる笠科川の渓谷美と紅葉のコントラストが美しいです。

そして、10月下旬になると初雪が見られ、5月になるまで一般のハイカーの入山は難しくなります。

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尾瀬の地図

尾瀬のアクセス

尾瀬
尾瀬のアクセスと駐車場
尾瀬のアクセスと駐車場

尾瀬の山小屋

尾瀬
温泉小屋
温泉小屋-尾瀬
尾瀬
至仏山荘-尾瀬
至仏山荘-尾瀬
尾瀬
御池ロッジ-尾瀬
御池ロッジ-尾瀬

尾瀬の登山コース概要

尾瀬-尾瀬ヶ原コース

尾瀬ヶ原の池塘と草紅葉
尾瀬ヶ原の池塘と草紅葉

鳩待峠からアヤメ平を巡り、尾瀬ヶ原を横断して山ノ鼻までのルートを案内します。

鳩待峠へはマイカーで入れますが、時期によりマイカー規制が行われます。規制期間以外でも鳩待峠駐車場が満車の場合には、戸倉駐車場に車を停めバスか乗り合いタクシーで鳩待峠に入ります。国道260号の鳩待峠へ入る道路入り口には鳩待峠駐車場の空き状況が掲示されます。

鳩待峠には有料駐車場130台 2,500円/日 があり、鳩待山荘が建ち、山荘の裏には公衆トイレが完備しています。

標高1,591mの鳩待峠から「鳩待通り」を歩き、アヤマ平へ向かいます。樹林帯の中をゆっくり登り、「中の原」を過ぎると笹の中の道が続きます。大きな湿原の横田代を進み、標高1,969mの中原山を越えるとアヤメ平です。アヤメ平は尾瀬ヶ原の南に位置し、東西に連なる尾根上にある湿原で、燧ケ岳の眺望が良い所です。登山口からここまで標高差378mあり、約2時間の道程です。

アヤメ平を進み、富士見小屋の建つ分岐に向け下ります。富士見小屋近くの分岐から富士見田代を右手に見送り長沢新道を進みます。長沢新道は竜宮十字路まで直線的に伸び、1時間30分ほどで尾瀬ヶ原のほぼ中心に位置する竜宮十字路に到着します。

竜宮十字路から尾瀬ヶ原に設置された平坦な木道を山ノ鼻に向かい歩きます。尾瀬ヶ原の草紅葉の先に山頂部が雲に隠れている至仏山が次第に大きくなってくると山ノ鼻に到着します。山ノ鼻には山ノ鼻小屋、至仏山荘、国民宿舎尾瀬ロッジなどの山荘やビジターセンター、無料休憩所、キャンプ場などの各種施設が完備されています。

コースタイム

  • ハイキング周回:5時間20分

難易度 1/10

体力  1/10  日帰り

尾瀬-三条ノ滝コース

三条ノ滝展望台から三条ノ滝
三条ノ滝展望台から三条ノ滝

見晴から三条ノ滝を見て、御池に通じる燧裏林道を案内します。

登山・トレッキングの拠点となる美晴は、多くの山小屋が集中して建てられています。公衆トイレが完備し、野外には、各山小屋の前にテーブルとベンチが設置され、多くのハイカーの憩いの場になっています。 見晴から尾瀬ヶ原の一角「下田代」に敷かれた木道を、三条ノ滝に向かって進みます。振り返れば、西に広がる尾瀬ヶ原の先に至仏山が聳えています。

赤田代を過ぎれば温泉小屋です。温泉小屋の隣には、日帰り入浴が出来る元湯山荘が建ち、その先の公衆トイレ、尾瀬ヶ原湿原休憩所を左に見送り木道を進みます。

木道から登山道に変わる辺りから只見川に沿って一気に下っていきます。傾斜がきつい所には階段が付けられ、補助的に鎖が付いている所もあります。 展望台から平滑ノ滝を眺め、さらに下ります。

木製の階段を降りた先が三条ノ滝展望台です。10月20日から5月20日までの期間は、鎖が外され展望台に行くことはできません。 三条ノ滝の名前の由来は、水量が減ってくると三筋に分かれることからとされていますが、6月上旬の三条ノ滝は、雪解け水が大量に流れ落ち迫力満点です。

三条ノ滝から分岐に戻り、燧裏林道を御池に向け進みます。分岐から15分ほど急登りが続きます。この間の急こう配はハイキング感覚では、相当堪えると思います。

小さい湿原を抜け、段吉新道との合流点から燧裏林道へ入ります。燧裏林道は樹林帯の中に作られた登山道で、途中立派な吊り橋の裏燧橋を渡り、小さいアップダウンを繰り返し、小川を越え進みます。その後現れる数々の田代(天神田代⇒西田代⇒横田代⇒ノメリ田代⇒上田代⇒姫田代⇒御池田代)を通り抜け、御池に着きます。

コースタイム

  • ハイキング周回:3時間45分

難易度 1/10

体力  1/10 日帰り

尾瀬の日帰りハイキングは出来る?

鳩待峠登山口から入り、 尾瀬ヶ原をゆっくりとぐるっと一周しても 約6時間のコースタイムで登山口へ戻れます。従って日帰り可能です。

また、鳩待峠登山口から尾瀬ヶ原を経由して尾瀬沼に向かい、下山口を大清水上部の一ノ瀬とした場合でも、コースタイムは約7時間30分なので同様に日帰り出来ます。

尾瀬の登山口近くの温泉

尾瀬の南西に位置する湯の小屋温泉 や 宝川温泉などは 湯量豊富でたくさんの露天風呂を楽しむことができます。湯の小屋温泉はロングコースですが至仏山の登山口 でもあります。

湯めぐりテーマパーク 龍洞

湯めぐりテーマパーク 龍洞

湯の小屋温泉の湯めぐりテーマパーク 龍洞は、 18種の露天風呂が貸切で、空いていれば24時間無料で時間無制限で入れます。18個もの露天風呂があるので、どこかは必ず空いています。一人、あるいは家族だけでプライベート空間が作れ大変リラックスできます。

すべて100%源泉かけ流し天然温泉です。

湯めぐりスタンプラリーがあり、18箇所全部制覇すると記念品が貰えます。

アクセス

水上駅より路線バス。1,550円 湯の小屋バス停(終点)下車、徒歩2分。

マイカー規制期間以外は鳩待峠まで車で行けます。マイカー規制期間は奥利根ゆけむり街道経由で尾瀬戸倉に車を停めてシャトルバスで尾瀬に入ります。

日帰り入浴

  • 平日:10:00~18:00 受付(最終退室時間19:30)
    土日祝:10:00~14:00時(最終退室15:00)
    ※混雑状況によって入場制限の可能性もあり
    ※受付から4時間以内の利用
  • 料金:大人 2,200円 子供(小学生以下) 1,100円

尾瀬の温泉

尾瀬の温泉
尾瀬の温泉

尾瀬には温泉小屋、湯元山荘、渋沢温泉小屋などの温泉がありますが、すべて鉱泉のため沸かしています。

尾瀬の天気の特徴

夏の尾瀬
夏の尾瀬

夏の尾瀬は晴天の確率がやや低い

春(4月 - 6月) :この季節は雪解けの時期で、特に5月にはまだ雪が残っている可能性があります。 気温は5~15度程度で、天気は変わりやすく、雨や曇りの日が多いです。

夏(7月~9月)の尾瀬は降水量が比較的多く、雨が頻繁に降ることがあります。霧やもやが発生しやすい状況になります。

尾瀬の1か月の降水量は5月101.8mm、6月139.8mm、7月173.8mm、8月190.8mm、9月204.8mm、10月157.3mmです。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

尾瀬登山ツアー

お問い合わせ

登山届提出

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

尾瀬周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-4.1-8.1-11.3
2月-3.4-7.7-12.1
3月-0.3-4.5-9.0
4月7.71.4-3.6
5月14.37.51.4
6月17.711.76.5
7月21.115.310.8
8月22.516.211.6
9月17.612.07.8
10月11.55.61.0
11月5.60.0-4.3
12月-0.5-4.9-8.9

尾瀬ハイキングのための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月××
2月××
3月××
4月××
5月×××
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月××
12月××
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!鳩待峠から尾瀬ヶ原をハイキングするだけならほぼ道迷いはありませんが、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へ通じるルートを使う場合には分岐が多く登山地図は必携です。 登山地図を持って行かないと命のリスクもあります。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていてもレインウェアは必須です。
また、防寒着としても使えます。セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 尾瀬ヶ原では直射日光が強烈に降り注ぎます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 標高1,400mの尾瀬ですが、 尾瀬ヶ原では日光を遮る木々が一切ありません。夏季は紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
水場は山小屋ごとにあります。登山行程に合わせて水の量を調整するとよいでしょう。
ヘッドランプ必須 アクシデントで暗くなってからの行動を強いられた場合には必携です。また、暗い内からハイキングをする場合にも必要です。
行動食必須 登山のコースタイムはさほど長くありません。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるものがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。トクホンのような筋肉痛に効く貼り薬もあると助かります。
ティッシュペーパー必須 登山中いきなりしたくなってしまった場合など、止血用などの万が一の時のために必帯です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
尾瀬では、7~8月でも最低気温が11度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋あったら良い
耳栓あったら良い 尾瀬の山小屋は個室が基本ですが、単独の場合、大部屋となることがあります。耳栓があると他人のイビキの音に悩まされません。
カメラあったら良い 360度の大パノラマや高山植物、紅葉など山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして3~4個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザック不要
シュラフカバー不要