甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)とは

標高2,475mの甲武信ヶ岳は、日本百名山にも名を連ねる秩父山系の中央に位置する山です。その名にあるように甲斐(山梨県)、武蔵(埼玉県)、信濃(長野県)の県境に位置しています。ちなみに北隣りにある三宝山標高2,483mの方が、8m標高が高く、埼玉県の最高峰でもあります。

甲武信ヶ岳を源流とする三大河川があります。千曲川は、日本最長の河川で、新潟県に入り信濃川と名前を変え、日本海に注ぎます。荒川は、関東平野を横切り、東京湾に注ぎます。笛吹川は、甲府盆地に入り釜無川と合流し、富士川と名前を変え、駿河湾に注ぎます。

甲武信ヶ岳の登山最適時期

アズマシャクナゲ

甲武信ヶ岳の登山最適時期は、5月下旬から6月中旬です。尾根に沿って登るルート上にはアズマシャクナゲが多く自生し、5月下旬から6月中旬にかけて、花のトンネルを作るのが最大の魅力でしょう。

しかし、山頂付近の北面には残雪が6月中旬までありますから、軽アイゼンを携帯することをお勧めします。

甲武信ヶ岳は樹林帯を歩く

どのコースで登っても、山頂近くまで樹林帯に覆われ、登山道からの展望はあまり良くありません。山頂に立つと北側以外の展望が望めます。

毛木平から十文字峠コースに鎖場

毛木平から十文字峠コースにのみ簡単な鎖場がありますが、その他のコースはいたって簡単な登山道です。

甲武信ヶ岳登山口の駐車場とアクセス

アクセスの詳細は下記を参照してください。

甲武信ヶ岳
甲武信ヶ岳のアクセスと駐車場
甲武信ヶ岳のアクセスと駐車場

甲武信ヶ岳の山小屋

甲武信ヶ岳
甲武信小屋
甲武信小屋
甲武信ヶ岳
十文字小屋
十文字小屋

甲武信ヶ岳の地図

甲武信ヶ岳の登山コース概要

① 甲武信ヶ岳-千曲川源流コース

千曲川源流
千曲川源流

長野県川上村の毛木平には舗装され、水洗トイレが完備した立派な駐車場があります。 駐車場までの車道は直線的で走りやすくマイカーでのアクセスは良好です。
一方、公共交通機関の川上村営バスは麓の梓山までしか来ていない為、登山口まで1時間30分ほど歩くことになります。
標高差が1,042mとさほどなくピストンでの日帰りは問題ありません。

毛木平駐車場の奥から林道を15分ほど歩くと登山道となります。 登山道は千曲川源流の西沢に沿ってゆっくり高度を上げていきます。 特に難所はありませんが、沢沿いのルートのため増水時には注意が必要です。

登山口から1時間40分ほどで、ビューポイントのナメ滝に到着します。 ナメ滝を過ぎても傾斜はきつくならず、千曲川源流の水源地を示す標が立つ所まで、少しずつ高度を上げます。

水源地標の立つ所から一気に傾斜は増し、30分ほどで国師ヶ岳への分岐点にもなる稜線に上がります。

稜線を進み、甲武信ヶ岳山頂が見えてくると、山頂はもうすぐそこです。 最後の岩場を登ったら日本百名山の甲武信ヶ岳山頂です。

コースタイム

  • 登山:毛木平⇒甲武信ヶ岳 3時間55分
  • 下山:甲武信ヶ岳⇒毛木平 3時間20分

難易度 1/10

体力  3/10  日帰り

② 甲武信ヶ岳-西沢渓谷(徳ちゃん新道)コース

木賊山から甲武信ヶ岳へ
木賊山から甲武信ヶ岳へ

西沢渓谷入口と塩山駅、山梨市駅との間にバス便があります。
登山者用無料駐車場が一杯の時は、徒歩5分ほどの所にある「道の駅みとみ」の無料大駐車場に駐車してください。

西沢渓谷入口から20分ほど車道を歩き、ネトリ橋を渡り、戸渡尾根コースの分岐を右に見送り、数分で 西沢山荘の脇から始まる徳ちゃん新道の登山口に到着します。

徳ちゃん新道は左方面に山梨百名山の鶏冠山の鋸歯状の稜線を見ながらの尾根歩きです。2時間ほど登ると登山道はアズマシャクナゲのトンネルとなり5月下旬から6月中旬が見ごろです。

戸渡尾根コースからの道を合わせて、木賊山へ向かう針葉樹林帯野中の登山道にもアズマシャクナゲのトンネルが続きます。
破風山方面への分岐を右に見送り、その先の通行止めになっている鶏冠尾根への分岐を左に見送ると木賊山です。

展望の効かない木賊山を後にして甲武信小屋への向け下ります。この下りの途中からの甲武信ヶ岳の眺望が最も良いのではないでしょうか。

甲武信小屋から登り返し20分で甲武信ヶ岳山頂です。戸渡尾根コースを登る場合、登山道のところどころに崩落した箇所がありますが通行には差し支えありません。川を渡るため増水時は要注意です。

コースタイム

  • 登山:西沢渓谷入り口⇒甲武信ヶ岳 5時間55分
  • 下山:甲武信ヶ岳⇒西沢渓谷入り口 4時間10分

難易度 1/10

体力  5/10 日帰り

③ 甲武信ヶ岳-十文字峠コース

鎖場
鎖場

十文字峠を経由するルートはアップダウンを繰り返すため累積標高差が1,500m近くになります。 そのため日帰りをするには千曲川源流ルートを下るのが賢明です。
途中に3箇所鎖場がありますが、すべて難易度は低く、登山初心者の鎖場体験に丁度良いくらいです。

登山口である長野県川上村毛木平には舗装され水洗トイレが完備した、立派な登山者用無料駐車場があります。

駐車場から出発して林道に入り、千曲川源流ルートを右に見送り、千曲川に架かる橋を渡ります。 苔むした沢沿いの登山道を登ると、次第に傾斜がきつくなった所が八丁坂です。

八丁坂を登り上げた稜線の場所を八丁坂の頭と呼び、ここから東方面になだらかな登山道が十文字小屋まで続きます。

十文字小屋の前はベンチとテーブルが置かれ絶好の休憩場所です。 水の補給には小屋から5分の所にある水場に向かいます。 十文字小屋からアズマシャクナゲの群生地の中を進みます。
例年より10日ほど開花が遅くなったようですが、6月29日の時点でこの辺りのアズマシャクナゲはほぼ終わっています。 アズマシャクナゲが毎年綺麗な花を咲かせるためには人間の手による手入れが必要であることはあまり知られていない事実です。

さらに高度を上げると少し咲き残ったアズマシャクナゲのトンネルが続きます。 しばらく広い稜線上の単調な登山道が続いた後、斜度45度、5mほどの鎖場が現れますがスタンスは豊富で、必ずしも鎖を必要とするほどの岩場で はありません。 最初の鎖場を登り上げると展望が開け、次いで現れるのが二連で掛かった鎖場です。 ここもスタンスが豊富で高度感も無い為、難易度の低い岩場です。

鎖場を登り小さな岩を通過すると、周りが大きく見渡せる狭い稜線に立ち、少し先に大山の山頂があります。

大山山頂から一気に樹林帯の中を下っていきます。 展望の効かない広い稜線上を、小さなアップダウンを繰り返し単調な登山道がしばらく続きます。

東側が切れ落ちていて展望良好な所を過ぎると武信白岩山に到着です。 武信白岩山の山頂の岩陵の前にはロープが張られ登山禁止になっています。

武信白岩山から進むと斜度40度、長さ5mほどの鎖場があります。 ここも難易度は低く高度感は無くスタンスは豊富です。 鎖場を登ると展望が開けた狭い稜線で、前方には目指す三宝山がくっきりと目に飛び込んできます。

単調な樹林帯の中を進むと広い平坦な山頂の三宝山に到着します。 三宝山は標高2,483mで1等三角点がある埼玉県の最高点ですが展望はありません。

三宝山から樹林帯を下り、登り返すと日本百名山の甲武信ヶ岳です。

コースタイム

  • 登山:毛木平⇒甲武信ヶ岳 6時間20分
  • 下山:甲武信ヶ岳⇒毛木平 5時間5分

難易度 3/10

体力  6/10  日帰り

甲武信ヶ岳の日帰り登山は出来る?

登山口は山梨県の西沢渓谷入り口と長野県川上村の毛木平です。 また、金峰山から国師ヶ岳を経由する縦走ルートで至ることも可能です。

関東からのアクセスがいい西沢渓谷から徳ちゃん新道で登られる事が多い反面、山頂までのコースタイムが6時間以上と長く、山頂近くの甲武信小屋に 泊まる必要があり、日帰り出来るのは健脚者のみとなるでしょう。

毛木平から千曲川源流を登るルートは登山口の標高が1,433mと高く、標高差が1,042mと手ごろなため、十分日帰り可能です。
ゆっくりと渓流に沿って高度を上げ、千曲川の水源地を訪ねるこのコースには難所もなく、誰でも登れる一般的コースとあって、人気は相当あります。

毛木平からは十文字峠、三宝山を経由して甲武信ヶ岳に至るルートもあります。
このコース上には、狭く切れ立った稜線上からの展望が良好な所があったり、鎖場も数か所にあるなど変化に富んだルートです。
また、コースタイムは8時間以上かかりますが、千曲川源流を登るルートと合わせ、周回するコース設定をしても日帰り可能です。

甲武信ヶ岳の登山口近くの温泉

武田信玄の隠し湯と知られる川浦温泉山県館です。川浦温泉山県館は甲州の 笛吹川の上流に佇む一軒宿です。源泉はアルカリ単純泉で、加温加水一切無し源泉100%かけ流し温泉です。

川浦温泉山県館

  • 温泉の特徴:泉温43.6℃ 泉質PH9.5 アルカリ性単純泉、 効能は、 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進など。

日帰り入浴

料金:大人 1,500円(税込) / 子供 800円(税込)

入浴時間:11:00~15:00(※14:00受付終了) / 年中無休
(混雑時は日帰り入浴の営業を中止する場合あり)

甲武信ヶ岳の天気

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

甲武信ヶ岳登山ツアー

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登山地図のスマホアプリ

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    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

甲武信ヶ岳周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-3.2-9.4-14.4
2月-1.8-8.0-13.2
3月2.1-4.2-9.6
4月8.61.7-4.1
5月12.96.20.9
6月15.69.75.2
7月19.113.39.2
8月20.714.210.1
9月16.210.46.2
10月10.04.1-0.4
11月4.5-1.9-6.9
12月-0.7-7.1-12.1

甲武信ヶ岳登山のための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月
2月
3月
4月
5月×××
6月××××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月×××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

縄文時代からあった十文字峠越えの道

黒曜石
黒曜石

十文字峠は、長野県南佐久郡川上村と埼玉県秩父市の境に位置しています。秩父地方は古代から開けた地域でした。秩父地方に数多く残る縄文遺跡からは黒曜石が出土しています。

黒曜石は、石器の材料として使用されるもので、信州の和田峠で産出されたものである事が判明しました。 この時代から十文字峠を越えて交易がなされていた証です。

黒曜石は決まった場所でしか取れず、特に良質の物は限られていました。和田峠産の黒曜石は日本全国各地で発見されています。

縄文時代には既に交易路が日本各地に張り巡らされていたのでしょう。 また、石器時代の遺跡の研究が進められると共に、従来考えられている以上に石器時代においても活動及び交易範囲が広いことがわかってきました。
参照:名山の民俗史