阿弥陀岳とは

標高2,805mの阿弥陀岳は八ヶ岳連峰の主稜線から外れています。 そのため単体で登られることは少なく、赤岳と一緒に登られることが多いようです。

その場合、赤岳から中岳を経由し中岳のコルにザックをデポして空身で登れば山頂まで25分ほどです。中岳道で行者小屋に下山するのが一般的です。 また、その反対のコースを取ることも考えられます。

一般道の他に南稜、中稜といったバリエーション入門ルートや冬によく使われる北西稜、北稜といったクライミングルートなどがあり各登山者の実力や目的によって楽しめる山でもあります。

阿弥陀岳のアクセスポイント

美濃戸口までは茅野駅から路線バスがあり、新宿からは直行高速バスが運行されています。 美濃戸までは一般車も入れますが、美濃戸口と美濃戸までの区間は路面が荒れていて車高の低い車や運転初心者には不向きです。

冬季、美濃戸まで車で入ることは出来ますが、凍結した急斜面のカーブがあるため4輪駆動にスタットレスタイヤ、且つチェーンを装備する事が好ましいです。

阿弥陀岳の地図

阿弥陀岳の山小屋

八ヶ岳の山小屋
赤岳鉱泉
赤岳鉱泉
八ヶ岳の山小屋
行者小屋
行者小屋
八ヶ岳の山小屋
赤岳頂上小屋
赤岳頂上山荘
八ヶ岳の山小屋
赤岳天望荘(あかだけてんぼうそう)
赤岳天望荘

阿弥陀岳のアクセス

八ヶ岳登山口-アクセスと駐車場
美濃戸口・美濃戸のアクセスと駐車場
美濃戸口・美濃戸のアクセスと駐車場

阿弥陀岳の登山コース概要

中岳道ルート

赤岳山腹から阿弥陀岳、途中に中岳を望む
赤岳山腹から阿弥陀岳、途中に中岳を望む

中岳道は行者小屋から登山道が始まります。 文三郎道を左に見送り樹林帯の中に入って行きます。 針葉樹林帯からダケカンバの林に変わる辺りから少しずつ展望が開け、八ヶ岳の主稜線にある赤岳、横岳、硫黄岳が大変綺麗に見える所です。

灌木帯を過ぎると、土砂崩れで本来の登山道が流され、上方に迂回路が作られていました。 積雪期や残雪期ではこの灌木帯で雪崩がよく発生していますので注意が必要です。

中岳のコルに到着するとザックを下し、空身で阿弥陀岳をピストンします。中岳のコルから取り付くとすぐに15mほどの梯子がありますが傾斜はさほどきつくなく高度感もありません。

高山植物が豊富な岩場には数か所に鎖が設置され、傾斜がきつくなりますが、それほど高度感は無く、登山初心者でも登頂できると思います。

鎖場を抜けると傾斜は緩やかとなり、ハイマツ帯の中のザレた赤土の登山道を登れば阿弥陀岳山頂に到着します。

コースタイム

  • 登山:美濃戸→阿弥陀岳 3時間10分
  • 下山:阿弥陀岳→美濃戸 2時間35分

難易度 3/10

体力  2/10 日帰り

御小屋尾根ルート

摩利支天
摩利支天

御小屋尾根ルートの登山者は少なく静かな山行を楽しむことが出来ます。

御小屋尾根ルートは、 美濃戸口の八ヶ岳山荘駐車場に車を駐車して別荘地を30分ほど歩くと阿弥陀岳の御小屋尾根登山口に至ります。

登山口まで車が入り数台の駐車スペースがあります。ここから出発するのもOKです。

また、美濃戸口から諏訪神社奥宮を経由するルートは、その先の登山道が不明瞭なため、あまり使われてはいません。

下山を行者小屋経由で柳川南沢を使った場合、美濃戸口に戻ってから30分ほど登り返さないと、車を置いた所まで戻ることが出来ません。

御小屋尾根登山口は舟山十字路にもあり、登山口には10台ほどの駐車スペースがあります。 御小屋山で美濃戸口からのルートを合わせ、それぞれにコースタイムは1時間30分ほどです。

御小屋山からしばらくは登山道の南側にロープが張られ、「立ち入り禁止」の札が随所に架けられています。このあたり一帯がマツタケ山になっているからです。

アップダウンの少ない尾根を登ると、このコース唯一の水場である不動清水に到着します。水を補給し、少し登った所で長い樹林帯の登りが終わり、展望が開け大きく阿弥陀岳が見えてきます。

ハイマツ帯の中の登りがしばらく続いた後、その上部が御小屋尾根の核心部です。 傾斜は40度ほどあり、ハイマツにロープが結ばれそれを頼りに岩場をよじ登ります。
高度感はありませんが、高さ2mほどの岩壁が登山道を「とうせんぼ」しています。 この岩壁にはホールドや足を掛けるところがなく、ハイマツに結ばれたロープをつかみ腕力で登ります。登山時には体重の重い人はよじ登るのに苦労いするかもしれませんが、下山に使うには問題ありません。

振り返ると、南アルプスと、その左には雲の上に頭を覗かせた富士山が見えています。
稜線に飛び出すと直ぐに阿弥陀岳・中央陵の分岐を右に見送り、岩稜帯へと入って行きます。

摩利支天には梯子・鎖が設置されていますが、見た目ほどの高度感は無く、阿弥陀岳山頂へと至ります。

コースタイム

  • 登山:美濃戸口→阿弥陀岳 4時間20分
  • 下山:阿弥陀岳→美濃戸口 3時間20分

難易度 3/10

体力  4/10 日帰り

阿弥陀岳の日帰り登山は出来る?

御小屋尾根ルートの最大標高差1,360mです。美濃戸から中岳道ルートを使ってもほとんど同じです。 コースタイムは往復で7時間あれば登山口に戻れます。

従って一般的な登山者であっても日帰りは十分可能です。

冬山の阿弥陀岳

冬季も赤岳と共に登る登山者が多いようです。文三郎分岐から中岳を経由し山頂をピストンします。

冬季には遭難が何度か起こり死者も出ています。中岳との鞍部から行者小屋へ下る沢状ルートでは10数人の雪崩による死亡事故がありました。

積雪期は雪崩の危険が少ない中岳頂上から北側へダケカンバ帯との境を下るのが安全です。又は文三郎道まで戻り行者小屋へ下るのが更に安全です。

冬季の遭難死亡事故

2015年2月の遭難事故

学習院大学山岳部の2人が雪崩によるとみられる遭難で死亡しています。ホワイトアウトでルートが解らなかったのか、尾根筋を歩いていて、雪崩に巻き込まれたのかもしれないとのことです。何れにしても、雪崩の末端部に埋まっているのを発見されました。

2018年3月25日の遭難事故

長野県警によると、午前8時半すぎ、八ケ岳連峰の阿弥陀岳(2805メートル)の南稜付近で登山者7人が滑落したとの報告がなされました。

7人は南稜の「P3」と呼ばれる難所付近(標高2600メートル付近)から斜度60度ほどの沢筋を約300メートル滑落。死亡した3人は雪に埋まっていた。滑落に伴って雪崩が発生したとみられている。

茅野市の諏訪中央病院によると、けが人は、少人数ごとではなく、7人全員がロープでつながった状態で登っていたと説明。「先頭の人が最初に滑った」とも話しているといいます。

阿弥陀岳の登山口近くの温泉

信州原村八ヶ岳温泉 もみの湯

信州原村八ヶ岳温泉樅の木荘 

日帰り入浴施設の「もみの湯」の泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉です。

宿泊者限定の貸切露天風呂や貸切家族風呂もあります。

利用料
【原村村民】
大人:500円 子供:300円
【原村村民以外】
大人:650円 子供:300円

営業時間 
AM10:00~PM 9:30 (PM 9:00までに入館)

休館日 
第3水曜日(祝祭日の場合は翌日)

登山口の美濃戸まで5.1km、車で9分です。

阿弥陀岳の天気の特徴

茅野市を眼下に望む
茅野市を眼下に望む

阿弥陀岳は晴天の確率は比較的高い

八ヶ岳の南部に位置する阿弥陀岳の山域は、日本海側特有の冬型気候の影響を受けにくいため積雪量はさほど多くありません。

夏場は午後になると清里側からガスが湧き出る傾向にあります。

6月から7月の梅雨明けまでは晴天率は低いですが、梅雨開けと共に晴天がしばらく続きます。また、秋や春も比較的晴天に恵まれます。しかし、10月上旬で初冠雪を見る年もあり、雨天だけではなく、強風などにも天候には十分な注意が必要です。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

阿弥陀岳登山ツアー

  • 阿弥陀岳|登山・トレッキングツアー

観光協会・観光案内所

登山届提出

長野県長野県警察本部地域部山岳安全対策課 電話:026-233-0110
長野県のホームページ
山梨県山梨県警察 
山梨県警察本部地域課 住所:〒400-8586 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(221)0110(代表)郵送、電子メール、
ファックスなので提出可能です。

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

阿弥陀岳山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-8.1-12.8-19.9
2月-7.6-12.4-19.5
3月-3.3-8.9-14.7
4月3.9-2.4-8.6
5月8.52.6-3.3
6月11.66.51.9
7月14.710.46.5
8月16.211.27.2
9月11.87.23.2
10月6.00.8-4.6
11月1.0-4.5-10.1
12月-4.6-10.0-16.1

阿弥陀岳へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月×
2月×
3月×
4月×
5月
6月××
7月×××
8月×××
9月×××
10月×××
11月×××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!南八ヶ岳のルートの一角を成す阿弥陀岳へは多くの箇所に分岐があります。 登山地図を持って行かないのは命取りと言えます。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 稜線に上がると直射日光が強烈に降り注ぎます。行者小屋の少し上や不動清水から森林限界を超えます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 阿弥陀岳は標高2,805mのため、 稜線では日光を遮る木々が一切ありません。森林限界を超えると紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
行者小屋と不動清水に水場があります。
登山行程に合わせて水の量を調整するとよいでしょう。
ヘッドランプ必須 夜になると電気を落としてしまう山小屋もあります。そんな時トイレに行くのが不自由です。また、暗い内から山頂まで登り、御来光を拝むためにも必要です。
行動食必須 コースタイムがやや短いのでお好みで持っていくと良いでしょう。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるものがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。
ティッシュペーパー必須 止血用などの万が一の時のために必帯です。ポケットティッシュを水で濡らし耳栓として使う場合にも有効です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
阿弥陀岳山頂では、7~8月でも最低気温が6度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋あったら良い 革製の手袋がベストですが、軍手でもOKです。
耳栓あったら良い 阿弥陀岳周辺の山小屋では大部屋が基本です。就寝時に いびきをかく人が必ずいます。耳栓の効果は絶大です。
カメラあったら良い 大パノラマの山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして4~5個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザックあったら良い 行者小屋にザックを置いて、サブザックで身軽な状態でや阿弥陀岳山頂のピストンが出来ます。水、カッパなど必要最低限が入る軽いコンパクトなものを使用すること。
シュラフカバーあったら良い 遭難時や混雑している山小屋(一つの布団に2人)で役に立ちます。毛布2枚を床に敷きゴアテックス製のシュラフカバーに入ります。

阿弥陀岳の山岳信仰

阿弥陀岳は呼び名の通り信仰の山で、山頂には阿弥陀如来の石像をはじめ多数の講中碑が祀られています。

阿弥陀岳頂上には石神仏が全部で24基あります。これは、八ケ岳の山頂で最も多い数です。阿弥陀如来像は3基あり、「嘉永七甲寅(西暦1854年)6月日」と刻まれていて、現在の長野県諏訪郡原村払沢で奉納したものです。また、「大己貴命 おおなむちのみこと」「事代主命 ことしろぬしのみこと」の石碑が四基建立され、「直明講」「直明講社」と刻印されていることから直明行者に関連した講によるものと思われます。

また、御小屋尾根の西ノ肩の自然石に刻まれた摩利支天の文字、摩利支天の犬反し岩に敬愛社行場跡、不動清水近くの不動明王など数々の石神仏を見ることが出来ます。

直明行者は赤岳を開山した人物として知られています。詳しくは赤岳のページをご覧ください。

山頂に祀られた多くの文字碑

「金毘羅神社」「羽黒山神社」「武尊山神社」「諏訪神社」「三山大権現」「事代主神」「大己貴命」などの文字碑が一群をなして建立されています。

山頂の阿弥陀如来像

現在の原村の人々によって奉納されたもので、赤岳(右手ピーク)を背にして原村方面を向いて鎮座しています。 麓から運び上げられたもので、かなりの重さがあると思われ信仰の深さを感じます。

諏訪大社の御柱祭

御小屋尾根の途中にある御小屋山は別名御柱山(おんばしらやま)とも呼ばれ、7年に一度行われる諏訪大社の御柱祭で使われる御柱を切り出す山です。

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