唐松岳の地図

唐松岳の山小屋

北アルプス山小屋
八方池山荘
八方池山荘
北アルプス山小屋
唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上山荘

唐松岳のアクセス

北アルプス登山口-アクセスと駐車場
白馬八方尾根のアクセスと駐車場
白馬八方尾根のアクセスと駐車場
北アルプス登山口-アクセスと駐車場
白馬五竜
白馬五竜のアクセスと駐車場

唐松岳の登山コース概要

① 八方尾根を登る唐松岳ルート

八方尾根から登る唐松岳
唐松岳頂上山荘の先に唐松岳

八方尾根スキー場のリフトを降りた所にある八方池山荘から八方池までは八方尾根自然研究路として木道が整備され、八方尾根トレッキングコースとして人気が高く、軽装で訪れる観光客の長い列が後を絶ちません。

八方池に映る白馬三山や不帰キレットは、このコース最大の景観で、ベストショットを撮ろうとする多くのカメラマンがシャッターチャンスを待ち構えています。

唐松岳の起点駅は白馬駅で、駅前から路線バスが白馬八方(八方バスターミナル)まで運行されています。
季節限定(7月1月~8月31日)で花三昧バスがゴンドラリフト「アダム」乗り場まで行っています。
このバスは近隣のスキー場を周遊して乗り降り自由なフリー乗車券(¥500/日)です。
白馬八方(八方バスターミナル)でバスから降りて、宿泊施設やおしゃれなお店の中を10分ほど歩くとゴンドラリフト「アダム」乗り場です。

マイカーの場合にはゴンドラリフト「アダム」乗り場の横に有料駐車場(1,000円/日)があります。
この駐車場が一杯の場合には、周辺に民間の有料駐車場が複数あります。
無料駐車場は、ここから徒歩で7~15分ほど白馬駅側に下った所にある八方第3駐車場200台、八方第2駐車場、八方第5駐車場に停めることになります。

長野オリンピックが開かれた八方尾根スキー場のゴンドラリフト「アダム」、アルペンクワッドリフト、グラートクワッドリフトと乗り継ぎ八方池山荘前の広場に下りたちます。

三つのゴンドラ・リフトを使った場合の料金は片道¥1,800 往復¥3,200です。アルペンクワッドリフトを降りた黒菱平にはミズバショウやニッコウキスゲが咲く湿原があるので寄り道しても面白いと思います。

八方池山荘前には公衆トイレ、売店があります。
八方池山荘の裏から登山道は二つに分かれ、左は木道が整備された遊歩道、右は稜線を登る登山道となっていて、すぐ上の第2ケルンの公衆トイレ前で合流しています。
八方池山荘から八方池までは八方尾根自然研究路として木道が整備され八方尾根トレッキングコースになっています。

水洗式の公衆トイレが完備した第二ケルンが立つ平坦地まで来ると前方の展望が開け、唐松岳から連なる不帰ノ嶮(かえらずのけん)、白馬三山の急峻な岩稜が眺めます。

八方ケルンを過ぎ、八方池のある第三ケルンまでは登山者ばかりではなく、高山植物や山岳景観を楽しむ観光客の列が後を絶ちません。
八方池湖畔に映る白馬三山・唐松岳不帰ノ嶮(かえらずのけん)を撮影する目的で来ている人々も多く、人気のスポットです。

八方池を過ぎると登山エリアとなり、観光客の数も減り、しっかりとした登山装備をした領域となります。
ダケカンバの林を抜け、下ノ樺、上ノ樺と登り、多くの登山者が休憩する扇雪渓の下部周辺は、 ダケカンバやナナカマドが混じる紅葉の絶好ポイントにもなっています。

あたり一面に足の踏み場もないほどに咲にチングルマの白い花を楽しみながらハイマツ帯を登るとケルンの立つ丸山で、展望をほしいままにします。

高山植物の咲く登山道は稜線の左側に作られ、落石防止のためにかけられたガレ沢のネットの下の桟道は、鎖場となっていますが登山道の幅はしっかりあり危険ではありません。

唐松岳頂上山荘に着くと唐松岳山頂は目の前です。 山荘前のベンチで休む登山者の前を通り、20分ほどで唐松岳山頂です。

山頂からは日本の屋根と呼ばれる北アルプス主稜線の山並みが美しく気品高く連なり、苦労が報われる瞬間です。

コースタイム

  • 登山:八方池山荘→唐松岳 3時間30分
  • 下山:唐松岳→八方池山荘 3時間00分

八方尾根を登る唐松岳ルートの難易度

難易度 1/10

体力  2/10 (日帰り)

不帰キレット(天狗山荘~唐松岳)ルート

不帰(かえらず)のキレット(天狗山荘~唐松岳)
不帰(かえらず)のキレット(天狗山荘~唐松岳)

白馬岳から唐松岳へ至る縦走路には不帰キレットの難所を通過しなくてはなりません。不帰ノ嶮Ⅱ峰北峰鞍部からそそり立つ岩壁が核心部で、橋が架かっている所と、その下のトラバース区間が難所です。不帰ノ嶮Ⅱ峰北峰のすぐ下で反対側(八方尾根側)に回り込みます。

高度感があり難易度の高い登攀となるため、条件の良い時をねらってチャレンジしてください。

一峰から見る核心部の不帰嶮の絶壁は、ほぼ垂直に見え登山初心者向きではありません。

不帰(かえらず)のキレット核心部の様子は、天狗山荘から唐松岳、唐松岳から天狗山荘の双方向でルートの写真を載せています。

天狗山荘から出発し、天狗の頭までは緩やかな登りで、 天狗の頭から天狗の大下りまで、展望の開けた稜線のなだらかな下りが続きます。

天狗の大下りに入ると一気に高度を下げていきます。 途中二箇所に鎖場がありますが、共に高度感は無く、斜度30度ほどの岩場のスタンスはしっかりして難しくありません。

下りきった辺りを不帰キレットと呼び、最低のコルから不帰一峰に向け登り返します。 簡単な岩場を登り、ハイマツの中の緩い登山道を進めば不帰一峰です。

不帰一峰から不帰ノ嶮の鞍部に下ります。 不帰ノ嶮二峰北峰への登りに二箇所の難所があります。

一回目の核心部は鞍部から直上し、右上方へトラバースします。 途中で左上方に向きを変え、トラバースは続きます。 次いで岩の割れ目に架けられた橋を渡り、鎖を頼りに直上すると一回目の核心部は終了です。

不帰ノ嶮の西面の草付きのなだらかな道を進んだ後、簡単な岩場を登り切り、梯子を登ると展望が開け、正面には不帰ノ嶮二峰北峰が迫ってきます。 さらにルートは不帰ノ嶮二峰北峰を左から巻き、裏面に出るようになっています。 巻き終えるとグルリと進路を変え、南東斜面に出ていきます。

南東斜面に出ると景色が一変し、二回目の核心部が始まります。 簡単なトラバースと斜度35度ほどの鎖場を通過し、不帰ノ嶮二峰北峰直下まで登ります。

不帰ノ嶮二峰北峰直下にある短い鎖場が難所で、ほぼ垂直な崖です。注意を要するのは足場となるはずの岩が浮石となっていて、この岩には足を置けません。
この岩はいずれ崩落する可能性が高いので、必ず足で岩が動くか確認してください。(足を置きたくなる位置にあります。) 鎖を頼りによじ登ると不帰ノ嶮二峰北峰に飛び出し核心部終了です。

不帰ノ嶮二峰北峰から不帰ノ嶮二峰南峰を通過し、唐松岳までは鎖場などの難所はなく普通の登山道です。

コースタイム

  • 天狗山荘→唐松岳 5時間10分
  • 唐松岳→天狗山荘 5時間10分

不帰キレット(天狗山荘~唐松岳)ルートの難易度

難易度  6/10

体力  2/10 (二泊)

GW・残雪期の唐松岳登山ルート

右端のピークが唐松岳
右端のピークが唐松岳

ゴールデンウィークの唐松岳は、八方池から唐松岳頂上山荘までの間に残雪があり、12本歯のアイゼンとピッケルを携帯することが必要です。天候が急変すると冬山に戻ってしまいますので、十分な装備で臨むことが肝要です。

GW・残雪期終わりの5月6日の唐松岳への山旅です。

前日は山頂部で雪が降りました。GW・・残雪期期間中は、麓では春の日差しがさんさんと降り注ぎ、半袖でも過ごせるほど気温が上がりますが、低気圧が通過すると、山頂部では氷点下になり雪になることもあります。早朝は残雪の表面がアイスバーンになり、滑落の危険がありますから天候を見極めながら十分な装備で臨むことが必要です。基本的に12本歯のアイゼンとピッケルは必携です。

八方尾根スキー場のゴンドラの運行時間は、積雪状況や日により多少の変更が起こります。この日は7時30分が始発でした。

八方尾根ゴンドラリフト「アダム」を降りたウサギ平ゲレンデより上部が滑走可能になっていました。アルペンクワッドリフトからグラートクワッドリフトを乗り継ぎ、八方池山荘の前庭に降り立ちます。
八方池山荘は営業中で、その横にある公衆トイレも使用可能です。

八方池山荘から八方山へ向けよく整理された木道を登ります。八方池の先、下ノ樺までは残雪はなく、夏道と同じように登ります。

下ノ樺で12本歯のアイゼンを装着し、急斜面を登って行きます。その後、いくつかの小ピークを超え、八方尾根の稜線を直登していきます。唐松岳頂上山荘直下で痩せ尾根を通過すれば、目前にピラミダルな唐松岳が迫ってきます。右手には雪と岩のミックスした急峻な不帰ノ瞼や天狗ノ大下りの岩峰が美しい姿を見せています。

山頂からは大パノラマの広がり、黒部渓谷を挟んで立山や雪の殿堂・剱岳、五竜岳の先には鹿島槍ヶ岳、更にその先に槍ヶ岳の姿をとらえることが出来ます。白馬の街並みの向こうには雨飾山、火打山、妙高山、高妻山がよく見えます。目を凝らすと、薄らと富士山も見えていました。

GW・残雪期の唐松岳登山ルートの難易度

難易度  2/10

体力   2/10  (日帰り)

唐松岳は日帰り登山が出来る?

唐松岳の登山口にある白馬八方尾根のゴンドラを使えば、八方池山荘から山頂までのコースタイムは往復で6時間30分ほどの行程のため、日帰り登山が主流です。

一方、唐松岳は後立山連峰の縦走路上にある為、南側の五竜岳鹿島槍ヶ岳、北側の白馬岳などへ縦走する中継地点として唐松岳山頂直下に建つ唐松岳頂上山荘は、宿泊者で賑わいます。

唐松岳の魅力

八方池
八方池

八方池から望む白馬三山。夏の間は白馬岳山頂部は雲に覆われることが多い。

八方池

リフトを降りた所の八方池山荘から八方池までは約1時間のコースタイムです。八方池までは遊歩道もしっかりと整備され、ハイキングコースとなっているので軽装で訪れる観光客も多く見受けられます。

風がなくなると八方池に白馬三山が映りこみます。 そのタイミングを狙って多くのカメラマンがシャッターチャンスを待ちます。

八方池に住んでいた大蛇が里に降りて悪さをしたため、対岸に飯森神社奥宮の小祠を建て祀ったと伝わっています。

ガスの掛かった白馬岳(八方池から撮影)
ガスの掛かった白馬岳

八方池の手前から撮影。10時頃になると長野県側からガスが湧いてくることが多く、きれいな写真を撮りたければ早朝出発が必須です。

唐松岳の天気

梅雨明けの短い期間を除き、夏の後立山連峰は快晴になることが少なく、朝9時頃になるとガスが湧き始め、10時頃には山頂部のほぼ全部が 雲で覆われてしまうことがほとんどです。

快晴になるのは例年9月中旬からとされています。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

無風で晴天の時でないと八方池に白馬三山を写しこむことはできません。

そこで天気予報は重要になります。

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

八方尾根の紅葉

紅葉が綺麗な八方尾根と八方池

唐松岳の標高は2,696mと北アルプスの中にあってやや低いため、紅葉する時期は10月上旬から 第2週にかけてピークを迎えます。

ナナカマドが真っ赤に発色します 。下ノ樺よりも上部はハイマツ帯となるので紅葉する木々がほぼありません。

ナナカマドの赤色とハイマツの緑色、草紅葉の黄色が響き合うように色づきます。

八方尾根・八方池の高山植物

各種情報

唐松岳登山ツアー

  • 唐松岳|登山・トレッキングツアー

役場

温泉宿の問い合わせ

登山届提出

  • 長野県のホームページ
    携帯やパソコンから出来ます。また、登山ポストはJR白馬駅前、八方ゴンドラ、五竜テレキャビン、栂池ゴンドラなどに設置されています。

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

唐松岳山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-8.2-13.4-18.0
2月-74-12.8-18.7
3月-3.1-9.5-14.5
4月4.6-1.8-8.7
5月9.93.2-2.8
6月12.97.22.4
7月16.110.86.6
8月17.811.97.4
9月12.87.53.3
10月6.90.8-2.8
11月-0.9-5.0-9.9
12月-5.5-10.5-14.9

唐松岳へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラステント
1月×
2月×
3月×
4月×
5月×
6月××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月××××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!ただし、
唐松岳山頂までのピストンなら一本道なので道迷いをすることはまずありません。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
帽子必須 ゴンドラリフト「アダム」を降りたところから森林限界を超え、
直射日光が強烈に降り注ぎます。
日焼け止め必須 晴れた日には強い直射日光があるので日焼け止めは必須です。
飲料水必須 天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
唐松岳ピストンなら体重60 kg の人で約2 L の水が必要です。
ヘッドランプ必須 夜、電気が切れてしまう山小屋もあります。 トイレに行くのに不自由です。
また、日が落ちてからの行動になった場合にはヘッドランプは必須です。
行動食必須 コンビニでいくつか買っていくと便利です。
パックカバー必須 雨が降った時、ザックの中身を濡らさないものです。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバンを持っていくと良いでしょう。
ティッシュペーパー必須 登山途中で急にしたくなった時に便利です。
耳栓あったら良い 唐松岳頂上山荘に宿泊する場合、いびきをかく人がいます。
カメラあったら良い 八方池の撮影や山旅の思い出にぜひどうぞ。
ビニール袋あったら良い ゴミ袋として重宝します。数枚持っていくと
良いでしょう。