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明星ヶ岳・明神ヶ岳・金時山/箱根山外輪山縦走ルート概要
登山コース案内
宮城野橋から明星ヶ岳に登り、明神ヶ岳から金時山へ至る箱根山の外輪山縦走コースです。
金時神社の無料駐車場に車を止め、箱根登山バスで宮城野橋へ移動します。7時52分のバスは宮城野橋へ直行しますが、8時34分は仙石バス案内所止まりで、8時51分に乗り換えが必要です。
平日は9時、10時台共にバスがありませんので上記2本に乗り遅れると計画が狂います。土日でも9時台のバスはなく、10時24分ですからやはり遅すぎると思います。
宮城野橋から箱根老人ホームを目指して車道を登って行きます。箱根老人ホームの所で急角度に左手に折れ、舗装道路が途切れて100メートルほど進んだ所に登山口があります。
登山口から混成林の中のいきなりの急登です。大文字山まで登ると、西側の展望が開けます。例年8月16日に箱根大文字焼が行われる場所です。
ハコネダケの間を抜け、開けた場所に出ます。明星ヶ岳と明神ヶ岳の分岐です。明星ヶ岳は分岐から平坦な道を200メートル進んだ所にあります。
山頂には特徴が無く、展望はありません。御獄大神や天照皇大神の銘文のある石碑が祀られているだけです。山頂を確認したら分岐まで戻り直進します。
少し歩くと正面に明星ヶ岳山頂部が見えてきます。同時に左手方向には大涌谷から上がる白い噴煙がよく見えます。
ハコネダケが密生する中で奥和留沢見晴らしコースを右手に見送り、小さなアップダウンを繰り返すと宮城野支所前からのルートが左から合流して来る鞍部です。
鞍部から急坂になり、傾斜が落ちた所で二宮金次郎柴刈り路が右手に分岐します。
数分歩くと、左手に大きな石に刻まれた摂政宮登山記念碑が建立されているのが確認出来ます。
灌木帯を抜けると、展望が開け金時山と富士山が視界に入ってきます。振り返ると、相模湾が見渡せます。
明神ヶ岳山頂は広々として平坦ですが、富士山、金時山、大涌谷方面の眺望が大変良いところです。
明神ヶ岳から南西斜面が崩壊した稜線上を金時山に向け歩きます。
大変展望がよく、このルート最大の景観の場所と言えます。
ゆっくり下り、登り返した所が火打石岳です。縄文時代に燧石が取れた事でこの名前が付いたとされています。
火打石岳から広葉樹林に覆われた北側の斜面をトラバース気味に進み、稜線に出ます。
背の高いハコネダケの間を小さなアップダウンを繰り返し進みますが、この間は全く展望がありません。
ハコネダケ背が低くなると正面に金時山が大きく迫ってきます。ハコネダケの間に刻まれた登山道がよく見えます。
矢倉沢峠に建つ「うぐいす茶屋」は営業していました。簡単な軽食やお土産物などが売っています。
矢倉沢峠から次第に傾斜が増してきます。金時(公時)神社分岐を左に見送り、急坂を登ると、金時山山頂です。
山頂は県境に当たり、南足柄市、小山町、箱根町が祀った祠三基がそれぞれの市町村に向かって建てられています。
箱根大文字焼
箱根の三大祭りの一つに数えられる箱根大文字焼は、毎年8月16日明星ヶ岳(大文字山)で行われます。大正10年から始められたこの行事は、避暑地である箱根を訪れた観光客のために始められたものですが、同時に箱根全山の有縁無縁の緒霊を静めるための裏盆の送り火という意味合いもあります。
乾燥したシノダケ350束が大の字の形に並べられ、夜19時花火を合図に一斉に点火されます。
「大の字」の大きさは横幅108m の大きなものです。大文字山の山腹にオレンジ色に浮かび上がり、箱根の夏の風物詩になっています。
学校林跡地
明星ヶ岳周辺には昭和23年、勤労精神の高揚や心身の鍛錬など、教育に資することに加え、学校用の資材を賄うことが出来ると小田原市国民学校から引き継いだ白山中学校の学校林がありました。昭和25年には4ヘクタールの斜面に当時の中学生がスギやヒノキを植林しました。しかし、木材価格の低下や生徒による手入れが難しくなってきたことから、平成12年に小田原市外二ヶ市町村組合に移管されました。
画像一覧
登山口からいきなりの急登です。ブナやコナラといった広葉樹や杉、松などの針葉樹の混成林で林床にはハコネタケが密集して生える中を登って行きます。登山道は雨によって削られて深くU字形になっているところもあります。
登山口から退屈な樹林帯を50分ほど登ると、展望が開けた場所に出ます。箱根の三大祭りの一つ箱根大文字焼が、毎年8月16日、この地・明星ヶ岳(大文字山)で行われます。早雲山ケーブルカーや箱根の最高峰・神山、遠くに富士山も一望出来ます。
大文字山を過ぎ、3メートルほどにも伸びたハコネダケが密生する間を抜け、杉林になる辺りで傾斜が緩みます。そこからひと登りすると明星ヶ岳と明神ヶ岳の分岐に出ます。分岐から開けた登山道を200mほど進むと明星ヶ岳山頂です。
明星ヶ岳・明神ヶ岳分岐から灌木帯の中を進み、ハコネタケの密生する登山道を抜けると、正面に明星ヶ岳山頂が姿を現します。左手方向に目をやると雪を戴いた富士山が金時山・丸山の稜線上にくっきりと聳えています。
鞍部からの登り返しは急坂になります。時折、展望の効く場所もあり、登山道の片隅にひっそりと三体の木造仏が置かれています。その一つは首が取れてしまっています。左手方向に大涌谷から立ち上がる噴煙がよく見えます。
二宮金次郎柴刈り路分岐から2分ほど歩いた左手に摂政宮登山記念碑が建立されています。昭和天皇は20歳で摂政に就任し、摂政宮(せっしょうみや)と称していました。明神ヶ岳の北東斜面の巻き道(最乗寺ルートが分岐)を右手に分け進みます。
広々とした広場になった標高1169メートルの明神ヶ岳山頂の先に富士山が聳えています。環境省では明神ヶ岳の植生を守るため、ボランティアの方々と植生復元事業を行っています。山頂に設置されている笹束やネットは、土砂や種子を止めて植生を回復させるためのものです。
登山道は火打石岳山頂の北側を巻いています。火打石岳の名前の由来は、黒色の燧石(ひうちいし)を産出した事によります。この岩は玄武岩の一種で、これを加工し作った石器が箱根や小田原の縄文遺跡から発見されています。縄文時代から人々の足跡があったことが伺えます。
明神林道分岐から100メートルほど歩くとウグイス茶屋です。茶屋の外に有料トイレ50円があり、味噌こんにゃく、ラーメン、磯辺餅、缶ビール、お酒、ホットコーヒー、ミネラルウォーター、甘酒などが販売されています。
うぐいす茶屋からハコネダケの中を登り、次第に傾斜がきつくなります。露岩帯を超えると、更に傾斜増します。金時山は、昔は猪鼻岳と呼ばれた急峻で岩場の多い山です。特に頂上付近の尾根筋では、コースの両側が切り立った深い崖になっていて大変危険です。
標高1212メートルの金時山山頂からの富士山の眺望。「金太郎は毎日金時山に登っていた。ある日、大石を落としてしまった。その音に驚いた大猪が岩に当たって死んでしまった。金太郎はその鼻を懇ろに弔ったので金時山を別名猪鼻山とも言う。」という言い伝えがあります。
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明星ヶ岳・明神ヶ岳・金時山/箱根山外輪山縦走コース地図
明星ヶ岳・明神ヶ岳・金時山/箱根山外輪山縦走コース詳細情報
ルート | 宮城野橋バス停(標高451m)⇒明星ヶ岳(標高924m)⇒鞍部(標高913m)⇒明神ヶ岳(標高1,169m)⇒火打石岳(標高988m)⇒矢倉沢峠(標高966m)⇒金時神社分岐(標高1,051m)⇒金時山(標高1,213m) |
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コースタイム | 登山:宮城野橋バス停金時神社入口⇒金時山 6時間10分 下山:金時山⇒宮城野橋バス停 4時間45分 |
駐車場 | 金時神社駐車場の詳細はこちら |
核心部 | 難しい所はありません。 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:2.72リットル、体重60kgの人:3.54リットル、体重75kgの人:4.36リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:5.073Kcal、体重60kgの人:6.595Kcal、体重75kgの人:8.117Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.724kg、体重60kgの人:0.942kg、体重75kgの人:1.159kg |
標高差 | 距離 11.2km 最大標高差 761m 平均斜度 全体:6.8% 上り:18.8% 下り:11.8% 獲得標高 上り:1211m 下り:467m |
山小屋 | 無し 宿泊は出来ませんが、ウグイス茶屋、金太郎茶屋、金時茶屋があります。 |
登山口へのアクセス |
金時神社入口へのアクセスの詳細はこちら |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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