日本アルプス登山ルートガイド > 百名山と日本の山々 > 天城山>天城峠から八丁池、万三郎岳天城縦走路コース
天城峠から八丁池、万三郎岳天城縦走路コース概要
登山コース案内
かつて天城峠は、伊豆半島の中央部に位置する天城山の西側を南北に縦断する下田街道(三島往還・天城道・下田往還などとも言う)の難所でした。静岡県伊豆市湯ケ島と賀茂郡河津町の境にあり、河津川と狩野川の分水嶺に当たる場所にあります。
今回は、天城峠・水生地下バス停から踊子歩道に入り、水生地の駐車スペースに車を止め、八丁池を経由して万三郎岳へ登る天城縦走路路を紹介します。
水生地駐車スペースから舗装された本谷林道を歩き、水生地歩道入口へ20分ほどで到着します。ここで水生地歩道と下り御幸歩道が分岐します。「御幸歩道」と名前が付くのは、昭和天皇が1930年(昭和5年)6月に八丁池まで往復したことを記念したからです。
水生地歩道は本谷川の源流に沿って高巻きする様に登るルートです。そして、ブナの原生林が生い茂る中を抜けると八丁池です。一方、下り御幸歩道は、杉林が伐採されている中を登り、ブナの原生林に入りほどなくすれば八丁池に到着します。
八丁池から戸塚峠までは、なだらかな天城山脈の稜線を進みます。ほとんどアップダウンが無く、展望は効かないのでやや退屈です。小岳(戸塚山)へ登るところに岩場があり、ロープが掛けられています。小岳から片瀬峠へ下り、登り返せば万三郎岳山頂です。
4月から11月まで、季節限定で登山バスが修善寺駅と八丁池入口を結んでいます。土休日やゴールデンウィークが主な運行日ですが、11月は全日運行されています。最大で5往復ありますが、季節により本数が少なくなるので、事前確認必要です。八丁池口までバスで入れれば、八丁池まで約1時間コースタイムを節約出来ます。
標高990メートル地点にある八丁池口から登る場合、八丁池まで40分ほどで着くため、天城天城縦走路路のピストンはさほど困難ではありません。一方、標高600メートルの天城峠から天城天城縦走路路のピストンは、コースタイムが8時間ほどかかるため、やや困難です。その場合、天城高原ゴルフ場に下山し、伊東駅とを結ぶ伊豆東海バスに乗るのも一法です。
天城峠越えの歴史
天城峠越えの道は、西暦1772年から81年(安永年間)に作られた中けん峠を越えるものでしたが、それ以前は古峠を超えてる難ルートだったようです。西暦1819年(文政2年)に、二本杉峠を越える道が出来ましたが、馬や籠が通れるほどの道ではなく、徒歩で歩くしか無く、やはり、かなりの難所だったそうです。
その後、西暦1905年(明治38年)に天城峠の東に天城山隧道(旧天城トンネル)が開通する事により、馬や馬車での通行が可能になり、「天城越え」は難所ではなくなりました。川端康成が一高二年生の時、このトンネルを越える直前、天城山隧道横にあった峠の茶屋で初めて伊豆の踊り子と会話をしたといいます。現在でも天城山隧道を抜ける道が「踊子歩道」としてハイキングルートになっています。
その後、西暦1970年(昭和45年)天城山隧道の西側に新天城トンネルが開通する事により、車でも容易に天城峠を越える事が出来るようになりました。
天城山の代表的な高山植物 アマギシャクナゲとトウゴクミツバツツジ
アマギシャクナゲの花期は例年5月中旬から6月上旬。トウゴクミツバツツジはそれよりも僅かに後に咲きます。アマギシャクナゲは年により当たり年、外れ年があると共に花期が前後にずれるので、事前に確認して登る事をお薦めします。
画像一覧
国道411号線(下田街道/天城街道)の水生地下(すいしょうちした)無料駐車場約17台。駐車場の反対側から踊子歩道(旧道)が、天城山隧道(旧天城トンネル)へ続いています。水生地下から天城峠まで5分ほどで着きます。
今回の登山口ではありませんが、踊子歩道をそのまま進み、天城山隧道(旧天城トンネル)まで行ってみることにしました。約5台ほど駐車可能です。トンネル脇に、かつて峠の茶屋が建っていた所に水洗式公衆トイレがあります。
天城山隧道(旧天城トンネル)から水生地まで戻り、登山が始まります。本谷川に架かる橋の上にはゲートがあり、一般車の通行を禁じています。登山者はゲートの隙間をくぐり抜けるようにして本谷林道へ入って行きます。
本谷林道ゲートから20分ほど舗装された道を歩くと水生地歩道入口です。更にここから200mほど林道を登ると、下り御幸歩道入口です。2ルートとも八丁池へ行くルートですがコースタイムがほとんど同じなので、今回は水生地歩道を登って行きます。
本谷川の右岸を高巻きしながら百日紅が混じる杉林の中ゆっくりと登って行きます。斜度はあまり強くなく、同じペースで登ることが出来ます。天城縦走路は、万三郎岳・万二郎岳と経由して天城高原ゴルフ場へ下る約17キロのコースです。
本谷川源流部に近づくにつれ、登山道からその姿がはっきりと見えるようになってきます。小さな滝が連続して流れ落ち、清流の音が辺りに心地よく鳴り響いています。更に登るにつれ本谷川の水量は少なくなっていきます。
上り御幸歩道入口分岐から寒天林道を2分ほど登ると公衆トイレです。右手側には冬季専用トイレのドアがありますが、夏季は閉められています。トイレの真向いから100メートルほど入ると富士山が見える展望台があります。
循環式の水洗式トイレです。環境保護のため汚水を出さずに処理する方法を取っています。そのため、トイレットペーパー以外のティッシュなどを流すとフィルターに負担がかかり循環処理が出来無くなります。昭和の森天城山自然林養林管理運営協議会が維持管理しています。
八丁池の湖畔に建立された昭和天皇行幸記念碑。昭和天皇は1930年(昭和5年)6月に八丁池まで往復しました。その登山を記念した「天蹕留蹤碑 (てんひつりゅうしゅうのひ)」と刻まれた高さ3メートルほどの立派な石碑です。
八丁池の周辺にはブナやヒメシャラなどの自然林が残されており、モリアオガエルの産卵地としても知られています。昭和30年代の八丁池の湖畔には立派な建物があり、冬になるとスケートリンクとして多くのスケーターで賑わっていました。
富士箱根伊豆国立公園特別保護区に指定されている八丁池を後にし、ブナの原生林の中に作られた天城縦走路を進んで行きます。八丁池から小岳(戸塚山)の少し手前までの区間、約1時間30分は概ね平坦な登山道です。
戸塚峠。アセビのトンネルを抜け、ベンチが三つほど設置された所です。白田峠から天城山脈の南側の緩斜面をほとんどアップダウン無しに戸塚峠まで来ます。万三郎岳まであと2.3km地点です。ここで、筏場新田バス停方面へ向かう戸塚歩道が左手方向に分岐します。
ヘビブナから登山道へ戻り、ブナの原生林の中を小岳(戸塚山)へ向けゆっくりと登ります。ブナは温帯地方に生息する広葉樹の代表であり、高さ30メートルにもなる落葉高木です。降水量が比較的多い緩斜面地を好みます。
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天城峠から八丁池、万二郎岳、万三郎岳天城縦走路コース地図
天城峠から八丁池、万二郎岳、万三郎岳天城縦走路コース詳細情報
ルート | 天城峠(水生地下駐車場)(標高600m)⇒踊子文学碑(標高646m)⇒水生地下歩道入り口(標高755m)⇒大見分岐(標高993m)⇒コマドリ歩道入り口(標高1062m)⇒八丁池(標高1188m)⇒白田峠(標高1170m)⇒戸塚峠(標高1155m)⇒小岳(戸塚山)(標高1346m)⇒片瀬峠(標高1306m)⇒万三郎岳 ( 標高1,406m) |
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コースタイム | 登山:天城峠(水生地下駐車場)⇒万三郎岳 4時間40分 万三郎岳⇒天城峠(水生地下駐車場) 4時間20分 |
駐車場 | 天城峠/水性地下バス停前に約17台の無料駐車場 、水生地に駐車スペース約15台天城山隧道(旧天城トンネル)約5台 【トイレ】天城山隧道(旧天城トンネル)横 八丁池 |
核心部 | 難しい箇所はありません |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:2.25リットル、体重60kgの人:2.92リットル、体重75kgの人:3.60リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:4.185Kcal、体重60kgの人:5.440Kcal、体重75kgの人:6.696Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.597kg、体重60kgの人:0.777kg、体重75kgの人:0.956kg |
標高差 | 距離 10.1km 最大標高差 798m 平均斜度 全体:7.9% 上り:14.1% 下り:7.9% 獲得標高 上り:969m 下り:173m |
山小屋 | 無 |
アクセス(天城峠/八丁池口 ) |
修善寺駅⇔天城峠(水生地下) 新東海バス 45分 一日10から11本 通年営業 昭和の森会館⇔八丁池口 32分 新東海バス 1日4〜5本 ※運行日注意 4月から10月の土休日とGW 11月1日から30日 |
温泉 |
大滝温泉 天城荘 |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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