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槍ヶ岳・西鎌尾根登山ルート概要
西鎌尾根コース案内
新穂高温泉バスターミナル近くにある新穂高登山センターに登山届を出して出発します。新穂高温泉のゲートの脇を通り、左俣谷の左岸(右側)にある傾斜の緩い林道を登ります。林道を登ること1時間ほどで笠ヶ岳の登山口である笠新道入り口に着きます。 ここには水がコンコンと出ている水場があります。笠ヶ岳へ登る登山者はここで水の補給が出来ます。
笠新道入り口からさらに林道を10分ほど歩けば「わさび平小屋」です。わさび平小屋の前はベンチやテーブルが置かれた休憩場所となっています。玄関前の水槽に冷えた飲料水・ビール・野菜などが販売されています。山小屋近くにテント場が整備され、30張ほど設営が可能です。また、わさび平小屋前の林道を挟んで流れる
小川は水場となっています。
わさび平小屋から15分ほどで林道が終わり、良く整備され小池新道へと入っていきます。 低木帯の中やゴーロ帯を越えれば、大ノマ岳を削って流れる秩父沢です。秩
父沢に架かる橋は7月上旬から10月上旬までで、それ以外は外される様です。秩父沢は休憩の最適地になっていて、多くの登山者がザック下ろし、体を休めています。秩父沢を渡った数分先の小川の水は飲めます。
チボ岩と呼ばれるゴーロ帯を越え、低木帯に入り、再びゴーロ帯を進みます。この辺りから左俣沢を振り返ると穂高岳と焼岳がよく見えます。ゴーロ帯を抜けた周辺は、イタドリが多く自生しする平原が広がり「イタドリヶ原」と呼ばれています。 「イタドリヶ原」の先のダケカンバ交じりの低木帯を抜けると展望が開けます。そこには、広範囲に渡ってミヤマシシウドが群生する「シシウドヶ原」です。
シシウドヶ原の道標が立つ場所で、進路を急角度に東方に向け、弓折岳の東斜面を右から巻くように登ります。弓折岳と弓折尾根間は木道が設置された平坦の地形で、
その先の小高い丘を越えると鏡平です。
鏡平一帯は沼が点在した平坦地で、その中でも鏡池に写る槍ヶ岳や穂高岳の絶景を求め多くの登山者が訪れます。 そのため、ひょうたん池湖畔に建つ鏡平小屋のハイ
シーズンの混雑は、1枚の布団に2人を覚悟してください。また、鏡平から見ると槍ヶ岳・穂高岳は東方向に位置するため、朝は逆光になり綺麗な写真は撮れません。
鏡平小屋から弓折乗越へ向け登ります。弓折乗越は、弓折岳から北方向に伸びる稜線上にあります。 弓折岳の中段から東面をトラバースします。トラバース道から振り返ると遠望には焼岳とその先の乗鞍岳、そして見下ろすと池が点在する鏡平に赤い屋根の鏡平小屋が小さく見えます。
弓折乗越分岐から、双六小屋に向け稜線を進みます。少し稜線を進んだ所で振り返ると、南西方向に抜戸岳へ繋がる稜線が見えています。
「花見平」と呼ばれる平坦な所からは丸い形をした双六岳の全景が見えます。稜線を北進するにつれ、鷲羽岳とその先の水晶岳が、次第に大きく見えてきます。
崩壊地を越えた辺りで、樅沢岳(もみさわだけ)と双六岳との鞍部に建つ双六小屋が見えてきます。
双六小屋は建て替えられて間もない小屋で大変綺麗です。双六池の周辺には冬季避難小屋や60張り可能な大きなテント場があります。、水は近くの雪渓から引いていので大量にあり、宿泊者以外でも無料です。又、梅雨開けから約一か月間富山大学双六小屋夏山診療所が開設され、登山者の安全をサポートしています。
双六小屋から西鎌尾根の起点となる丸いなだらかな山容をした樅沢岳西峰へ登ります。樅沢岳西峰から振り返ると双六岳から連なる三俣蓮華岳、鷲羽岳、真砂岳などの山々が美
しい景観を作っています。
樅沢岳西峰横の小ピーク・樅沢岳東峰は、南面をトラバースし、ハイマツ帯の中を抜け反対側に回り込みます。正面には西鎌尾根が湾曲しながら槍ヶ岳に向け伸びているのがはっきり確認できます。しばらくアッ
プダウンの少なり稜線が続き、左手には赤い岩肌が特徴的な赤岳から硫黄岳に連なる硫黄尾根が見えます。さらに硫黄尾根越に燕岳から常念岳へと連なる常念山脈が見
えています。
左俣岳は飛騨側を巻き、そこから少し下った所に鎖場がります。簡単な通過のため鎖はほとんど使われず錆びついています。
その後、比較的なだらかな稜線が続きます。小ピークを左から巻いて通過し、再び小ピークを左から巻いて進み、岩稜帯へと入っていきます。岩稜帯には数か所に鎖が設置
された通過がありますが、どれも簡単で登山初心者でも難なく越えて行けます。
岩稜帯を抜けると飛騨沢へ下る千丈乗越分岐はすぐそこです。千丈乗越からザレた斜面をゆっくりと登り、ろうそくの様に直立した大岩・ニセ槍を越えた辺りから一気に傾斜が増します。ジグザグに切られた登山道を登ると槍ヶ岳山荘が建つ鞍部に飛び出します。
※槍の穂先のルート案内は槍沢ルートをご覧ください。
※大天井ヒュッテからヒュッテ西岳間は喜作新道をご覧ください。
※燕山荘から大天井ヒュッテ間は表銀座縦走コースをご覧ください。
画像一覧
新穂高温泉バス終点から蒲田川に架かるめぐみ橋を渡って、左俣谷の林道に沿って登っていきます。1日目は弓折尾根を登り鏡平小屋で宿泊します。約5時間半のコースタイムです。新穂高温泉の駐車場の情報も参照してください。
登山口の新穂高温泉から西鎌尾根の取り付き点に建つ双六小屋までは約15キロ、標高差約1460mです。舗装された左俣谷の左岸を進みます。左俣谷の左手に穴毛谷を見ながら進み、遠くに聳えるのは笠ケ岳へ通じる稜線です。
笠新道登山口から林道を10分ほど進むと、わさび平小屋があります。林道を挟んで「ワサビの名水」と言われる水場があります。わさび平周辺はブナの巨木に覆われたすがすがしい森が広がり、テント場約30張、風呂も付いています。
鏡池に写る逆さ槍。右手には穂高岳が雲間にのぞきました。朝方は逆光になる為、撮影時間は午後の方が美しい写真が撮れます。だだし、午後になると雲が湧くのが欠点ですが。湖畔は展望テラスが作られ多くの登山者がシャッターチャンスをうかがっています。
鏡池から少し進んだ標高2300メートル地点に建つ鏡平山荘。ひょうたん池の縁に建てられています。小屋前は簀子のテラスがあり、ベンチやテーブルが設置され憩いの場所となっています。営業期間は7月上旬から10月中旬です。
弓折岳東面のトラバース道(あまり斜度はきつくありません)を進みます。ただし、冬季は谷側の傾斜がきついとこがあり、十分注意が必要な感じです。周辺は高径草原が広がりハクサンフウロやミヤマダイコンソウなどが咲くお花畑です。
弓折乗越に設置されたベンチと、眼下には鏡平が見えています。左眼下に深く切れ落ちた左俣谷の先に西鎌尾根から伸びる槍ヶ岳が天を突いて聳えています。ここから双六小屋までは約2,5キロの稜線を約1時間のコースタイムです。
花見平から望む山頂が平坦な双六岳。双六岳の右手側鞍部に双六小屋が建っています。弓折の稜線には数多くのお花畑が点在しますが、最も規模の大きいのが花見平です。高山植物の最盛期は例年7月下旬から8月中旬にかけてです。
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西鎌尾根ルート地図
西鎌尾根ルート詳細情報
ルート | 新穂高温泉(標高1,105m)⇒笠新道分岐(標高1,370m)⇒わさび平小屋(標高1,400m)⇒小池新道入口(標高1,420m)⇒秩父沢出合(標高1,716m)⇒チボ岩(標高1,790m)⇒イタドリヶ原(標高1,851m)⇒シシウドヶ原(標高2,090m)⇒鏡平山荘(標高2,281m)⇒弓折乗越(標高2,557m)⇒花見平(標高2,600m)⇒くろゆりベンチ(標高2,618m)⇒双六小屋(標高2,548m)⇒樅沢岳(標高2,755m)⇒左俣岳(標高2,674m)⇒千丈乗越(標高2,734m)⇒槍ヶ岳山荘(標高3,060m)⇒槍ヶ岳(標高3,180m) |
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コースタイム | 登山:新穂高温泉⇒双六小屋 6時間40分、双六小屋⇒槍ヶ岳 4時間30分 下山:槍ヶ岳⇒双六小屋 3時間30分、双六小屋⇒新穂高温泉 5時間30分 |
駐車場 | 新穂高温泉登山口周辺の駐車場はこちら |
核心部 | 鎖場が4か所にありますが、すべて低難度です |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 2 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:5.0リットル、体重60kgの人:6.5リットル、体重75kgの人:8.0リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:9.300Kcal、体重60kgの人:12.090Kcal、体重75kgの人:14.880Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:1.329kg、体重60kgの人:1.727kg、体重75kgの人:2.126kg |
標高差 | 距離 18.9km 最大標高差 2107m 平均斜度 全体:11.2% 上り:15.8% 下り:10.7% 獲得標高 上り:2378m 下り:336m |
山小屋 | わさび平小屋 鏡平山荘 双六小屋 槍ヶ岳山荘 |
登山口へのアクセス | 新穂高温泉までのアクセスはこちら |
西鎌尾根登山ルートの「高山植物」
![]() オヤマリンドウ |
![]() イワギキョウ |
![]() ミヤマリンドウ |
![]() ミヤマキンポウゲ |
![]() ヤマハハコ |
![]() タカネシオガマ |
![]() ウサギギク |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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