日本アルプス登山ルートガイド > 北アルプス > 燕岳
燕岳登山ルート概要
燕岳(つばくろだけ)は
北アルプスの東側を南北に走る飛騨山脈(常念山脈)のほぼ最北端に位置する標高2,763mの山で、日本二百名山及び新日本百名山に選ばれ、長野県大町市と安曇野市にまたがって中部山岳国立公園の一角をなしています。
ハイマツと花崗岩とのコントラストが美しい山頂部。
燕岳は槍ヶ岳へ至る表銀座ルートの拠点となる山です。合戦尾根ルートは登山初心者向けです。東沢乗越経由のルートは、登山初心者にはやや不向きです。
餓鬼岳と燕岳との間にある剣ズリなどの岩峰群は、景観も抜群でちょっとスリルある稜線が歩きが楽しめます。ゴールデンウィークにも多くの登山者が訪れ、残雪期初心者ルートです。
また、燕岳から北側には餓鬼岳がありますが、あまり登山者は入っていません。
中房温泉を登山口とする合戦尾根を登れば日帰りも十分可能です。特に危険個所が無い為、北アルプスデビューにはもってこいの山です。年末年始には燕山荘が営業しているので、冬季登山も可能です。
山頂部は風化した花崗岩の岩塔が林立する独特な山容で、花崗岩の灰色とハイマツの緑とが織りなすコントラストは日本庭園を彷彿とさせ、登山者を魅了してやみません。この花崗岩の岩塔は、風化によって柔らかい部分が崩れ去り、硬い部分だけが残ったものです。
この様な花崗岩の岩塔は北アルプスでは烏帽子岳の北に位置する南沢岳に顕著に認められます。
南アルプスでは鳳凰三山、中央アルプスでは空木岳、木曾駒ヶ岳などで見られます。
燕岳山頂から連なる稜線の砂礫地は不安定で栄養分が乏しいので、高山においてまず最初に根を下ろすコマクサの群生地が広がり、砂礫地の周辺を覆うハイマツ帯の中には雷鳥が生息しています。
大変人気な山なので、夏休み期間のハイシーズンには、中房温泉から500m下にある2ヶ所の第1、第2無料駐車場は、120台駐車可能なのですが、AM6時半ころには一杯になり、車道に迷惑駐車の列ができてしまいす。そこから約200メートルほど下った所に有明荘が建ち、その脇から少し入った所に登山専用駐車場第3があります。
車道がせまい為、7時ころからは完全に駐車スペースは無くなり、やむなく引き返す車が出るほど混雑します。
その場合には、市営しゃくなげ荘西の登山者専用駐車場(穂高温泉郷内)に駐車し、市営しゃくなげ荘の前からJR穂高駅を起点とする中房行定期バスに乗るかタクシーを使うことになります。中房温泉に泊まれば駐車場の心配はありません。
※燕岳の名前の由来は春に見られる雪形がツバメの形をしている所から来ているとされています。
各種問い合わせ
安曇野市豊科総合支所 電話:0263−71−2000
登山届の提出
長野県のホームページで携帯やパソコンから出来ます。また、登山ポストは中房温泉の日帰り入浴施設の「湯原の湯」の前、餓鬼岳登山口などに設置されています。
登山地図のスマホアプリ
山と高原地図のスマホアプリが昭文社から販売されています。月額版:料金月400円、通常版:地域1エリア500円。
プレミアムドラマ 「山女日記 アルプスの女王〜燕岳」
工藤夕貴さん主演
湊かなえさんの短編をモチーフに、山フェスで“アルプスの女王ツアー”に参加するワケあり登山者たちと、ガイド・柚月の新たな愛の行方を、千紫万紅の絶景とともに描きます。
【放送予定】
「山フェスに行こう〜常念岳」
10月29日(日)[BSプレミアム]後10:00〜10:49
「アルプスの女王〜燕岳」
11月5日(日)[BSプレミアム]後10:00〜10:49
NHK 「山女子日記」
合戦尾根ルート
北アルプス三大急登の一つに数えられている合戦尾根ですが、危険個所は無く、入門コースとして登山初心者でも安心して登れ、日帰りも可能な山です。
燕岳への登山口は中房温泉で、
無料駐車場が中房温泉の直ぐ下に2か所あります。
中房温泉の日帰り入浴施設である「湯原の湯」の前に登山道の入り口があります。
樹林帯を急登すると開けた場所に丸太でできた第一ベンチとある休憩スポットに到着します。
そこには合戦尾根ルート唯一の水場があります。
第一ベンチを過ぎ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチと約30分ごとに休憩スポットがあり、合戦小屋に到着します。
合戦小屋は宿泊施設のない休憩のためだけの小屋で、売店と食堂があるだけですが何かほっとさせるものを感じます。
荷揚げ用のケーブルが有明温泉の前から合戦小屋とを結んでいます。
合戦小屋を過ぎたあたりから展望が効き出し、花崗岩とハイマツの緑とのコントラストが美しい燕岳の山頂が見えてきます。
しばらくするとこのルート唯一の鎖場が現れます。
鎖場といっても高度感は全くなく、鎖が設置されているというだけの場所ですから登山初心者でも安心して登れます。
鎖場を越えた辺りから山小屋とは思えないヨーロッパ風の建物を連想させるる燕山荘が燕岳から南に連なる常念山脈の尾根上に建っているのが見えてきます。
燕山荘から燕岳への稜線は表銀座縦走コースの一部でもあり、槍ヶ岳の眺望を楽しみながら風化した花崗岩帯を登り30分ほどで燕岳山頂に到着します。砂礫地に作られた登山道は、ストックの使用により少しずつ崩れ、そこに雨水が流れることにより侵食が進んでいます。できる限りストックの使用を控えるよう山小屋の人達が声を上げ、登山者に協力を求めています。
コースタイム:登山:中房温泉⇒燕岳 4時間30分
下山:燕岳〜中房温泉 3時間10分
中房温泉から中房川を遡上し、東沢乗越から燕岳へ至るルート
登山道の整備が老朽化に追いついていない箇所があること、悪天候時には増水して川を渡れない事があること、コースタイムが長いこと等で登山初心者向けではありませんが合戦尾根より変化に富んでいます。特に稜線に上り、北燕岳を経由し燕岳間の絶景は格別です。このルートを下山時に使う場合には、燕山荘にリアルタイムのコース状況が玄関に掲示されています。
表銀座縦走コース
燕岳から大天井岳、西岳を経由して槍ヶ岳へ行くルートを表銀座縦走コースまたはアルプス銀座と呼んでいます。コースは常に稜線上にあり、大展望が広がる雲上の人気コースです。
喜作レリーフのある地点から大天井ヒュッテ間はやや高度感のあるトラバースで、鎖が随所に設置されています。
また、西岳からの下りと水俣乗越からの登り返しには鎖場が随所にあり、垂直に近い梯子が架かっているなど、登山初心者にはちょっと難しいルートと言えるでしょう。
当サイトでは表銀座ルートを分けて案内しています。各ページをご覧ください。
※燕山荘から大天井岳ヒュッテ
※大天井岳ヒュッテから西岳(喜作新道)
※西岳から東鎌尾根を登り槍ヶ岳
登山口周辺の日帰り温泉と宿泊施設
中房温泉日帰り入浴専用施設「湯原の湯」
燕岳登山口に建つ中房温泉の日帰り入浴専用施設です。
中房温泉日帰り入浴専用施設「湯原の湯」の露天風呂
男女それぞれ二つの湯船があり、自然湧出した三つの源泉( 妙見の湯、古事記の湯、薬師の湯1号)から引いています。源泉温度が高いため、減温は水冷式と空冷式を採用し、加水、加温はしていない源泉掛け流し100%の温泉です。
中房温泉日帰り入浴専用施設「湯原の湯」の軽食コーナー
休憩室では、ざるそば700円、山菜蕎麦うどん700円、月見そばうどん700円、山菜月見そばうどん750円、チキンカレー870円、蒸し卵110円、枝豆300円、おでん650円、生ビール800円など軽食が用意されています。
中房温泉の玄関
中房温泉には新館と本館があり、新館はグレードの高い旅行者用の施設で、本館は1人の登山者でも泊まりやすいリーズナブルな料金設定になっています。混雑時には相部屋になることもあります。
中房温泉の内風呂の一つ「不老泉」
中房温泉は湯量が豊富なため、内風呂、露天風呂合わせて十四の施設からなっています。すべての温泉に入るだけでもアトラクションの様で飽きさせません。
有明荘
中房温泉登山口から下流に約1.0km、徒歩15分の地点にあります。
源泉掛け流し温泉ですが、源泉の温度が高いため加水されています。
燕岳山頂周辺の気温
山頂気温 | 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高気温 | -9.7 |
-8.8 |
-6.5 |
3.0 |
7.7 |
10.9 |
14.5 |
15.8 |
11.1 |
5.1 |
-0.5 |
-6.4 |
平均気温 | -15.0 |
-14.4 |
-10.4 |
-3.9 |
1.2 |
4.7 |
5.2 |
9.8 |
5.6 |
-0.9 |
-6.7 |
-11.9 |
最低気温 | -20.1 |
-19.9 |
-15.9 |
-10.1 |
-4.6 |
0.6 |
4.8 |
5.5 |
1.5 |
-5.7 |
-11.7 |
-16.9 |
燕岳へ登るための装備と服装
用具・装備 | 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ツェルト | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
○ |
△ |
△ |
△ |
○ |
◎ |
◎ | ストック | △ |
△ |
△ |
△ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
スパッツ | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
○ |
手袋 | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
◎ |
サングラス | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
◎ |
軽アイゼン | × |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
△ |
12本歯アイゼン | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
◎ |
ピッケル | ◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
○ |
ギア |
チェック |
|
---|---|---|
◎ |
登山地図 | □ |
◎ |
登山靴 | □ |
◎ |
上着(シャツ) | □ |
◎ |
ズボン | □ |
◎ |
アンダーウェア | □ |
◎ |
靴下 | □ |
◎ |
レインウェア | □ |
◎ |
帽子 | □ |
◎ |
防寒着 | □ |
◎ |
日焼け止め | □ |
○ |
耳栓 | □ |
◎ |
飲料水 | □ |
○ |
カメラ | □ |
◎ |
ティッシュペーパー | □ |
◎ |
救急薬品 | □ |
○ |
ビニール袋 | □ |
◎ |
保険証(コピー) | □ |
○ |
ヘッドランプ | □ |
◎ |
バックパック | □ |
◎ |
パックカバー | □ |
◎ |
行動食 | □ |
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燕岳登山口までのアクセス(公共交通機関)
中房温泉 | 中房温泉までのアクセスの詳細はこちら |
---|
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