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白馬岳・白馬大雪渓登山ルート概要
登山コース案内
起点駅となる白馬駅から登山口となる猿倉まで路線バスが季節運行されています。
マイカーの場合は村営猿倉荘から1分ほど下った所にある登山者用無料駐車場(約100台)に駐車します。
一杯の場合には八方の無料駐車場に停め、バスかタクシーを使うことになります。白馬駅前からバスに乗れば猿倉まで30分で到着します。
村営猿倉荘の宿泊者は山荘の前に駐車できますが、わずか約15台と少ない為、一杯の場合には登山者用無料駐車場に停めます。
村営猿倉荘横には公衆トイレと給水所があります。
村営猿倉荘で登山届を提出して出発です。
ブナとトチの原生林の中を登ります。しばらくして左手に白馬鑓温泉方面の登山道を見送り、10分ほどで工事用林道に入ります。長走沢の木橋を渡る辺りで正面に白馬岳から小蓮華岳の稜線が見えてきます。工事用林道を40分ほど歩いたところから登山道となります。
良く整備された木道の緩い登山道を進み、白馬大雪渓が見えてくると間もなく白馬尻小屋です。
白馬尻小屋までは登山口から約1時間の行程です。
白馬尻小屋前は広場になっていて、ゆっくりと休憩することが出来ます。トイレを済ませ水を補給して白馬大雪渓を目指します。低木の中を15分ほど進むとケルンの立つ白馬大雪渓のスタート地点です。
ハイシーズンにはアイゼンを装着する登山者でごった返します。
白馬大雪渓の傾斜はさほどきつくありませんが、軽アイゼンは必要です。
白馬岳周辺に特有な気象現象で、午後になるとガスに覆われることが多く、午後2時以降の白馬大雪渓への進入が禁止されています。
雪渓から立ち上がる霧が吹き下ろされ谷を覆います。、
霧の中から杓子岳の絶壁が幻想的に浮かび上がる様は筆舌に尽くし難い光景です。
右手に三号雪渓が見える辺りが白馬大雪渓のほぼ中間地点で、雪で冷やされた風が冷たく感じ、一枚余分に羽織って進みます。
白馬大雪渓上部では自然崩落による落石が頻繁にあり死亡事故も起こっています。
雪渓上を転がる落石は速度が速く、音もしないので常時上部を確認して登る必要があります。
こういった事情もあり、午後の入山を禁止しているものと思われます。
また、濃霧時の視界不良による道迷いにも注意が必要です。
雪渓上には紅ガラが一直線上にまかれコースを外さないようになっています。5月中は新雪が降ることがあり、表層雪崩の危険があります。その直後の登山や悪天候時は栂池高原からのルートをとるのが賢明でしょう。
8月下旬になるとクレバスが出来き、スノーブリッチの下を流れる濁流に転落すると大変危険です。その頃になるとルートは右岸(向かって左側)の秋道を登るようになります。
白馬大雪渓を通過し終わった所でアイゼンを外し振り返ってみると、登山者の長い列が見えます。ザレタ登山道となり、葱平( ねぶかっぴら)と呼ばれる辺りからミヤマキンポウゲやシナノキンバイなどの高山植物 が豊富に見られ、登山道のすぐ脇には雪解け水が小さな滝を作って流れ落ちています。
小雪渓を左から右にトラバースし、少し上がった所に4人座ると一杯になる広さの避難小屋があります。
避難小屋を過ぎた辺りから、お花畑が広範囲に広がり、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマアキノキリンソウ、イブキジャコウソウ、テガタチドリ、イワオウギ、ハクサンフウロなどの高山植物が咲き乱れます。
登山道沿いにある水場からは大変冷たくおいしい水が豊富に流れています。
木の階段を登ると白馬岳頂上宿舎まであと少しです。
白馬岳頂上宿舎から白馬山荘は手の届くところに見えます。両山小屋とも昭和大学医療部白馬診療所が夏山のハイシーズンに5週間開設されます。又、一般財団法人 白馬村振興公社によってグリーンパトロール隊が組織され白馬の自然が守られています。
白馬岳頂上宿舎前のテラスで休憩を摂ったら、ハクサンイチゲの咲く登山道を白馬山荘に向け登ります。
白馬山荘へはなだらかな登りで、振り変えると白馬岳頂上宿舎の先に杓子岳と白馬鑓ヶ岳、さらにその先に剱岳が聳えています。
白馬山荘にザックをデポし、白馬岳への最後の登りです。
白馬山荘創始者の松沢貞逸のレリーフを過ぎれば白馬岳山頂です。
白馬大雪渓で使うアイゼン
4本歯アイゼンを使っている登山者が多いようですが、白馬大雪渓の上部になるとやや傾斜が増し、スリップしている登山者を良く見かけます。
6本歯アイゼンは4本歯アイゼンより重く値段も高いのですが、快適・安全に登下山するなら6本歯アイゼンをお勧めします。
アイゼンのレンタル
レンタル料¥1,000で借りることが出来ます。
貸し出し・返却場所:北アルプス総合案内所(白馬駅前)・白馬山荘(300円返金)
画像一覧
長走沢に架けられた角材で作られた橋を渡ります。林道に出てから40分ほど右下に見える「北股入」の沢沿いに作られた砂防工事用林道を歩きます。白馬岳の稜線が見えてきました。右側から小蓮華山そして本峰の白馬岳です。稜線の鞍部が三国境です。
河原状の広場からアイゼンを装着して出発します。白馬大雪渓の天気は変わりやすく、午前中に通過することが必要で、午後2時以降の白馬大雪渓の入山は禁止されています。雪渓を抜けるのに約2時間30分かかります。
登るにしたがって雪渓から立ち上がる霧が吹き下ろしてきます。コース上には紅ガラが敷かれているので、登山者の列は一直線上になっています。この赤い線を外れるとクレバスやシュルントに落ちることも考えられます。
中間地点から上部を望む。傾斜が揺るんで腰を掛けるのにちょうどいい石が点在しています。杓子岳の岩陵「天狗菱」が美しい。以前、杓子岳の天狗菱が大崩落を起こし、白馬大雪渓の上部を埋め尽くし死者も出ています。
葱平( ねぶかっぴら)。白馬岳の特産種であるネギボウズの形をした薄紫色の花をつけるネギ科のシロウマアサツキ(白馬浅葱)の花が生育していたことから葱平の地名が由来になったそうです。しかし最近ではほとんど見られません。
辺り一面イワオウギ、ミヤマオダマキ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲなど彩り豊かになった高山植物が咲き乱れるお花畑の中をたどります。正面の岩場の前に大きな看板が立っています。勾配が緩やかな場所で休憩ポイントです。
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白馬大雪渓ルート地図
白馬大雪渓ルート詳細情報
ルート | 猿倉(標高1,230m)⇒白馬尻小屋(標高1,557m)⇒葱平(標高2,290m)⇒村営白馬岳頂上宿舎(標高2,730m)⇒白馬山荘(標高2,832m)⇒白馬岳(標高2,932m) |
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コースタイム | 登山:猿倉⇒白馬岳 6時間00分 下山:白馬岳⇒猿倉 3時間40分 |
駐車場 | 猿倉駐車場の詳細はこちら |
核心部 | 悪天候時の白馬大雪渓 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:2.415リットル、体重60kgの人:3.140リットル、体重75kgの人:3.864リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:4.492Kcal、体重60kgの人:5.839Kcal、体重75kgの人:7.187Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.642kg、体重60kgの人:0.834kg、体重75kgの人:1.027kg |
標高差 | 距離 6.4km 最大標高差 1696m 平均斜度 全体:26.6% 上り:27.4% 下り:2% 獲得標高 上り:1673m 下り:3m |
山小屋 | 村営白馬岳頂上宿舎 白馬山荘 白馬尻小屋 村営猿倉荘 |
登山口までのアクセス | 猿倉までのアクセスの詳細はこちら |
白馬大雪渓登山ルートの「高山植物」
![]() イワオウギ |
![]() ミヤマオダマキ |
![]() ミヤマキンポウゲ |
![]() シナノキンバイ |
![]() イブキジャコウソウ |
![]() チシマギキョウ |
![]() ハクサンフウロ |
![]() タカネイブキボウフウ |
![]() タカネシオガマ |
![]() テガタチドリ |
![]() クルマユリ |
![]() ハクサンイチゲ |
![]() チングルマ |
![]() ミヤマダイコンソウ |
![]() タカネツメグサ |
![]() イワツメクサ |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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