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開田高原から御嶽山(継子岳〜摩利支天山)

御嶽山(継子岳〜摩利支天山)・開田口登山ルート概要

登山コース案内

開田口登山道は、登山口の標高が他の登山口に比べると遥かに低いためロングコースと言えます。岩場などの難所はありませんが、体力勝負のルートと言え、中高年には向きません。そのため、登山者はあまり入っておらず、深い針葉樹林の原生林の静寂の中をひたすら登ることに馴れた熟練者向きのルートと言えます。

登山口近くに水場はありますが、三ノ池まで水の確保は出来ません。又、かつて避難小屋が途中にありましたが、現在は倒壊して存在していません。

コースは、九合目辺りまで針葉樹林帯のあまり変化の無い登りが続きます。森林限界を超えると黄色や白の花を咲かせる高山植物のお花畑が出迎えてくれます。更に登った所で、登山道は草に隠されて分りにくくなります。特に下山に使う場合には、ルートを見失う危険が高まりますから慎重に下ってください。

開田頂上南端に飛び出すと、辺りの景色が一変します。今回は、三ノ池、四ノ池、幻の大滝、継子岳、五の池小屋、摩利支天山と巡るルートを紹介します。

四ノ池から流れ落ちる幻の大滝の動画

開田高原

開田高原は、御嶽山の東側標高1300mに広がる火山灰に覆われた農耕には適さない場所です。しかし、高地ゆえに冷涼な気温がそばの栽培に適し、肥沃とは言えない土地にもよく育つ「霧下蕎麦」が、夏の終わりになると高原を真っ白い花で覆います。開田高原には美味しい蕎麦を出す店が点在し、10月上旬の日曜日には、開田高原そば祭が開催されます。

開田高原では日本古来の馬である木曽馬が奈良時代よりも前から飼育され、明治時代には7000頭を数えるまでになりましたが、農耕での機械化が進むと共にその生産は激減し、絶滅の危機を迎えることになります。木曽馬の里の木曽乗馬センターを中心として木曽馬の保存が行われ、乗馬などで馬と触れ合うことが出来ます。

又、開田高原の歴史を学ぶには、開田郷土館や開田考古博物館などがあります。前者は、馬具、農具、民具、馬の医術書、純血の木曽馬「第三春山号」の剥製などが展示されています。

後者は、開田高原の旧石器時代の柳又遺跡から出土した石器や縄文時代の遺産を展示しています。その隣にある山下家住宅は、江戸時代末期に建設されたもので長野県の県宝になっています。 共に開館日は4月から11月末です。

登山口近くの御嶽明神温泉やまゆり荘では、源泉かけ流しの露天風呂があり、湯に浸かりながら御嶽山の眺望を楽しめばきっと下山後の疲れを癒してくれること請け合いです。

開田高原には御嶽山のビューポイントがいくつもあります。代表的な場所として木曽馬の里近くの地蔵峠、御嶽山城山展望台とその西の国道361号線沿いの古生代チャートの大弯曲がある九蔵峠展望台などです。

冬は継子岳の東側に広がる開田高原マイアスキー場で、標高2120mのコース山頂からパウダースノーの中を3200mのヒルダウンが楽しめます。



画像一覧

開田高原登山口の駐車場。登山口から約50mほど上流に登った所にあり、約7台駐車可能です。

登山ポストが設置された開田高原登山口。林道に入り、約2kmで登山口です。ヒュッテくらいすをカーナビにセッティングすれば誘導してくれます。

登山口から300メートルほど入った所にある4合目の鳥居。開田口ルートは、御嶽信仰とは関わりが無く、森林開発のために作られたもので、「大頭羅神王」(新潟県の八海山の祭神である八海山大神)が祀られています。

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鳥居の直ぐそばにある水場。十分な量の水が出ていました。

御嶽登山道開田口4合目を示す道標。開田高原キャンプ場まで2.5km、三ノ池まで約5.75kmとあります。

シラビソやダケカンバの混成林の中を急登していきます。本コースは旧営林署の見回りのために作られたルートです。そのため御嶽教に関わる遺構などは一切ありません。

急斜面が終わると苔むした平坦地になります。五合目の標識が立っています。

森全体をシラビソが覆う広い尾根を登って行きます。

かつて刃利天と呼ばれた標高2000m地点の開田口六合目の道標には、御嶽山入山情報システム(ココいるネット)の案内板があります。 QRコードを携帯で読み取れば、システム管理者と登録された緊急連絡者へ登山者の通過箇所が伝わります。登山者の安否確認が出来るシステムです。

深い針葉樹林帯森ですが、左手方向から御岳ロープウェイの案内放送の声が聞こえてきます。樹木が途切れた所から左手方向を見ると御岳ロープウェイ山頂駅が見えています。

開田口六合半を示す道標。開田頂上の三ノ池まで約2.4km、開田高原キャンプ場まで約5.85kmの位置です。この辺りから10分ほど平坦な道を進みます。

七合目の避難小屋跡。丸太を組んだ三角屋根の小屋でしたが、雪の重みで倒壊し、2009年に取り壊されました。

ハイマツ帯となり、周りの木々の背も低くなってきました。

ナナカマドや灌木の中の涸沢沿いに大きな溶岩がゴロゴロした所を登って行きます。

八合目を示す道標。あと10分ほど登った所で灌木帯を抜けます。

開田口九合目の道標が立つ辺りでやっと森林限界を超え、視界が広がってきます。この辺りから傾斜がきつくなってきます。

森林限界を超えると大きな火山岩が転がる急斜面となり、ミヤマキンバイやチングルマなどの見事な大群落が出迎えてくれます。

高山植物が豊富な火山轢の広がる場所から振り返ると開田高原がよく見えます。

アオノツガザクラの大群落は見事です。更に周辺を見るとキバナシャクナゲやガンコウランなども咲いています。

登山者の数が少ないせいか、登山道は草に覆われている場所もいたるところにあります。特に、下山時には草の中から登山道を探しながら下る必要がある所です。左前方向に御嶽山の山頂部が姿を現して来ました。

開田頂上の南端まで上がると灌木や低い草も無くなり背の低いハイマツで覆われた平坦な所になります。ここから5分ほど歩いた所に三ノ池があります。

前写真の位置から左手前方のトラバース道を写す。この道は黒沢口から上がった女人堂の所から分岐する道で、遅くまで雪渓が残ることや崩壊しやすい場所もあるため通行を予定した場合事前確認が必要です。御岳ロープウェイの山頂駅も小さく見えています。

三ノ池避難小屋の建物が見えて来ました。三ノ池は真直ぐ進んだ右手側にあります。正面の稜線の奥に賽の河原があります。

白龍教総本庁が建てた避難小屋。6名ほどが寝泊まり出来るスペースがあります。

三ノ池避難小屋のトイレ。従来型の地下浸透式です。

三ノ池避難小屋の隣に白竜教会の小祠が祀られています。奥に見えるのが三ノ池です。

三ノ池は白竜が棲むと言われる御嶽山最大の池で、常に満々と水を湛えています。御嶽教信者はこの水を「御神水」と呼び、祈祷して服用すると万病に効くことから「お水とり」と言って汲んで帰るそうです。そして、その水は何年経っても腐らないと言います。今回は、三ノ池の外輪山を東側(右手)から回り込み、四ノ池を経由して継子岳へ向かいます。

三ノ池避難小屋が三ノ池を隔ててちょうど反対側に見える所まで登って来ました。コバルトブルーの湖面は言葉に出来ないほどの美しさです。左手奥に剣ヶ峰が見えています。

左下に三ノ池を見ながら稜線を進むと、正面に継子岳が見えてきます。右手側のピークが継子ニ峰、その左手の丸いピークが継子岳です。

継子岳へ進む稜線の途中で、左手方向に五の池小屋方面のルートが分岐します。五の池小屋は稜線を超えた反対側の所にあります。登山道の左手側が三ノ池、右手側が四ノ池です。

四ノ池が見えて来ました。池というより小さな川が集まって出来た湿地帯の様な所です。その奥に継子岳が聳えています。

四ノ池の水を集めて流れ落ちる「幻の大滝」です。知らなければ素通りしてしまうような所にあります。正面の丸いピークは継子二峰です。

継子岳によって取り囲まれている窪地の四ノ池から流れ出す小川がまとまって1本となります。ここの水を五の池小屋はポンプアップして飲料水として使っています。

四ノ池の東側が断崖絶壁となりそこから落ちる「幻の大滝」を反対側から撮影。さほど水量はありませんが、日本で最も高い所から落ちる滝です。

継子二峰への登りです。山頂近くで岩場となり、斜度が増します。

継子二峰へ登る途中から四ノ池を写す。正面のピークは摩利支天山で、その左手方向の山頂部が平坦な所の一角が剣ヶ峰です。これだけの狭い場所で絶え間なく水が流れるのは少し不思議な感じがします。

継子二峰の山頂部です。大きな石がゴロゴロしいいますが、難所ではありません。

継子岳山頂に祀られた阿留摩耶天や金山彦大権現などの小祠。山頂の先は、「東京巣鴨日昇教会」の行場になっています。ここで雷鳥に出合いました。

継子岳と継子二峰の広い鞍部を進みます。この周辺はコマクサの大群落が広がる場所です。植生回復作業の現場であるため登山道以外には進入禁止になっています。

コマクサが暖かい日差しを浴び、そよ風に吹かれてなびいています。

継子岳山頂の少し手前は、平らな石が折り重なっています。そこをジグザグに登ると、その一角に鳥居が祀られているのが見えます。

岐阜県恵那市の五光教会の霊神場です。ここから少し登った所が、継子岳山頂です。

広々とした継子岳山頂からは360度の展望が楽しめます。日和田登山道が北側から登り上げているので、チャオ御岳スノーリゾートへ下ることも出来ます。又、御嶽信仰に関わる石碑や鐘なども見られます。首が無い仏像は明治の神仏分離令による仏教弾圧によるものでしょうか。

継子岳から大きく方向を変え、南下していきます。

針の山と形容される岩が剣を突き立てた様に林立した場所を通過します。

針の山からガレた道をゆっくりと下って行き、背の低いハイマツの中に入って行きます。正面の緑に覆われた長い稜線の右端が摩利支天山のピークです。その左手奥に火山灰に覆われた剣ヶ峰がくっきりと見えています。

岩小屋。天然の岩で出来た空洞の前にしめ縄が張られ、石の上部に石碑が二塔祀られています。遠く雲の上に浮かんで見えるのは白山です。

コマクサ群落を守る植生保護のためのロープが張られています。広い稜線を少し進んだ先に岩のトンネルがあります。それを抜けると直ぐに五の池小屋が見えてきます。

五の池小屋。御嶽山には珍しい北アルプスの山小屋の様に設備が整っています。山小屋の右手の高台に御嶽山飛騨頂上の神社があります。この場所は、濁河温泉から登山道が合流しています。

2010年に新築された飛騨頂上神社。ただし、神職は常駐していません。又、御嶽教の様々な溝による石碑や石造物などが祀られています。

五の池小屋前にある五の池は、噴火口が湖水となったものですが、ほとんど水は存在していません。これから摩利支天山へ登って行きます。

摩利支天山へ登る途中から振り返って撮影。五の池小屋の奥に落ち込んだ所が四ノ池、四ノ池を取り囲む外輪山が左手から継子岳、その右に継子二峰です。

摩利支天乗越へ向かう途中の岩場。さほどきつくないので問題なく登れます。

摩利支天乗越にある社に到着しました。御嶽信仰の主祭神は、御嶽大神こと御嶽山座王権現です。これは、修験道の蔵王権現に由来し、摩利支天はその神格の一部を表しています。又、同時に「御座」と呼ばれる御嶽信仰の山伏が行う行法の守り神ともなっています。

摩利支天乗越から望む御嶽山の本峰・剣ヶ峰が左手奥に見えています。山頂は2014年9月27日に起こった大噴火により火山灰に覆われています。手前の広々とした所が賽の河原です。

摩利支天乗越から望む摩利支天のピーク。往復で30分ほどです。左手奥は継母岳です。

摩利支天山へは稜線の左手側をトラバースする様に進みます。いたる所に御嶽教の講が祀った石碑が立っています。

50mほど続く岩壁の下をトラバースします。谷側の傾斜は緩いので、滑落の心配はほとんどありません。

標高2959.2m の摩利支天山頂上から望む御嶽山本峰。この先には登山道が無いので、今来た道を戻ります。

摩利支天乗越まで戻って来ました。ここから賽の河原へ下って行きます。

賽の河原の先に聳える御嶽山本峰は、噴火によって二ノ池の少し下まで火山灰が覆っています。ザレた登山道を転倒しないように慎重に下ります。

下り切った所に白竜教の避難小屋が建ち、その左手から三ノ池へ下る登山道が分岐します。

分岐から三ノ池に向かって急斜面を下って行きます。三ノ池を取り囲む外輪山とその奥に継子岳が見えています。更にその奥は乗鞍岳です。右手奥に聳えるのは中央アルプスです。

コバルトブルーの美しい水を湛えた三ノ池です。外輪山に沿って登山道が付いているのが見えます。

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開田口ルート地図

開田口ルート概要情報

ルート 開田高原登山口(標高1,495m)⇒七合目避難小屋(標高2,047m)⇒三ノ池(標高2,700m)⇒四ノ池(標高2,684m)⇒継子二峰(標高2,822m)⇒継子岳(標高2,859m)⇒五の池小屋(標高2,800m)⇒摩利支天乗越(標高2,937m)⇒摩利支天山(標高2,959m)
コースタイム 登山
開田高原登山口⇒三ノ池 3時間20分
継子岳一周 1時間50分
五の池小屋から摩利支天山 50分

下山
三ノ池⇒開田高原登山口 2時間15分
駐車場 登山口に6〜7台の駐車スペース
核心部 難しい所はありません。
難易度 [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1
飲料水必要量 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:1.85リットル、体重60kgの人:2.41リットル、体重75kgの人:2.97リットル
消費カロリー 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:3.448Kcal、体重60kgの人:4.483Kcal、体重75kgの人:5.176Kcal
燃焼脂肪量 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.493g、体重60kgの人:0.640kg、体重75kgの人:0.788kg
標高差距離 :9.8km、 最大標高差: 1462m、 平均斜度: 全体:12.7%、 上り:21.4% 下り:15.8%、 獲得標高: 上り:1598m 下り:363m
山小屋 五の池小屋
登山口までのアクセス JR中央線木曽福島駅から開田高原行きに乗車し開田支所で下車、おんたけ交通、約40分200円、開田支所で御嶽明神温泉山やまゆり荘行き木曽町定期タクシーに乗り換えて開田高原キャンプ場下車。木曽町定期タクシーは通年営業、一日3〜4本。


次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。

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御嶽山(継子岳〜摩利支天山)は
「39.御嶽山 小秀山・奥三界岳」に収録されています。
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