日本アルプス登山ルートガイド > 北アルプス > 黒部五郎岳 > 双六岳・三俣蓮華岳から黒部五郎岳
双六岳・三俣蓮華岳から黒部五郎岳登山ルート概要
登山コース案内
新穂高温泉を登山口として、双六岳及び三俣蓮華岳を経由し黒部五郎岳へ登るルートを紹介します。
ここでは双六小屋からルート案内をします。※ 新穂高温泉から双六小屋までのルートについては、槍ヶ岳の西鎌尾根ルートをご覧ください。
双六岳及び丸山を通過しない巻き道ルートが三俣蓮華岳へ通じていますが、やはり展望良好な双六岳及び丸山を通って行くことをお薦めします。特に、双六岳の広い稜線から振り返る槍・穂高岳の峻険な姿は大変見事です。また、南側に目を転じると鋭角的で峻嶺峨々として聳える笠ケ岳は、おそらくこの位置から見る姿が最も美しく見えるのではないでしょうか。僅か30分ほどのコースタイム超過になるだけなので、ここを外しては余りにももったいないと感じます。
三俣蓮華岳山頂に立つと鷲羽岳・水晶岳・雲ノ平など黒部源流の山々の全貌がパノラマのように広がります。更に、鷲羽岳の右手奥に裏銀座縦走コースの野口五郎岳、雲ノ平の台地の左手後方には裾野を大きく広げた薬師岳もよく見えます。
三俣蓮華岳から黒部五郎岳登山の拠点となる黒部五郎小舎までは、背の低いハイマツが覆い尽くす広い稜線を降ります。正面に黒部五郎岳が近づくにつれ、黒部五郎カールの壁面を覆う羊背岩がはっきりと見え、それまで小ぶりに見えていた山から雄大でダイナミックさを感じる山へと変貌していきます。
黒部五郎小舎が建つ五郎平は、池塘が点在する草原が広がり、7月の終わりになると、辺り一面をコバイケイソウの白い花が埋め尽くします。
黒部五郎小舎から黒部五郎岳を目指すルートは、黒部五郎カールを登るルートと稜線ルートの二つがありますが、やはりお薦めは黒部五郎カールルートです。今回は、下山時に稜線ルートを使って黒部五郎小舎まで降ります。
山小屋から山頂までは約1時間50分見れば登頂出来ます。黒部五郎カール内に入ると雪渓から流れ出す清冽な流れが憩いの場を提供してくれます。カール壁に張り付くように幾重にも折り重なった羊背岩が作り出す景観は、まさに天上の楽園と呼ぶに相応しいものです。
コバイケイソウが咲く草付きの急斜面をひと頑張りすれば黒部五郎岳の肩へ上がります。北ノ俣岳方面分岐を右手に見送ると5分ほどで黒部五郎岳山頂です。
山頂で展望を楽しんだら稜線ルートを下ります。山頂近くは狭い稜線に沿って登山道が付けられています。カール壁側は鋭く切れ落ちていますから滑落しないように慎重に通過します。次第に台地状の広い稜線に変わり、チングルマやハクサンイチゲなどが咲く歩きやすい道に変わります。僅かに残った雪渓を通過し、灌木帯を下ると黒部五郎小舎です。
稜線ルートは、昭文社の地図では破線で描かれていますが、特に難所はなく、登山初心者でも問題無く歩くことが出来ます。
画像一覧
15分ほどハイマツ帯を直登すると台地状の平坦地になります。ここで、双六岳稜線ルートと三俣峠へ向かう巻き道ルートに分岐し、少し行った所で中道ルートが分岐します。今回は、正面の岩場を登り右方向の双六岳(ここからは見えない)を目指します。
前写真の位置から中道ルートを振り返って撮影。ほぼ平坦な登山道が、双六岳の北東斜面に出来たカール地形の底に付いています。登山道の左手に見える小さな高まりはモレーンでしょうか?遠景に西鎌尾根の起点となる樅沢岳と更にその奥に槍ヶ岳が見えています。
丸山山頂から平坦な道をしばらく歩いたら両山の鞍部へ下降していきます。正面のピークが三俣蓮華岳です。山頂から左手方向に伸びる稜線に黒部五郎岳方面の登山道が付いています。山頂の右手に水晶岳、左手に薬師岳が聳えています。
前写真の位置から黒部五郎岳を撮影。三俣蓮華岳から左手方向(北西)へ落ち込む稜線に登山道が付いています。黒部五郎岳の標高は2840mです。丸山の2854メートルよりも14メートル低いので、ここから見るとやや小ぶりに見えます。
三俣蓮華岳山頂。ここは鷲羽岳や水晶岳への分岐点でもあり、富山県・岐阜県・長野県の県境になっています。更には「三俣」の名前の由来となった3方向への分水嶺(北の富山県側の黒部源流、西の岐阜県側の神通川源流、東の長野県側の高瀬川源流)でもあります。
三俣蓮華岳から北側を撮影。写真中央部で左右に落ち込んでいる場所が黒部源流、その右手側に見える赤い建物が三俣山荘、そこから北側に稜線を辿れば鷲羽岳、その左手奥にワリモ岳、更にその奥の山頂がギザギザした山が水晶岳、写真中央を南北に走る谷の左手側に祖父岳です。
ハイマツ帯の緩斜面の下りが終わると西方向に進路を変え、灌木帯の中に入って行きます。池塘が点在する五郎平に赤い屋根の黒部五郎小舎が見えています。黒部五郎小舎から二手に分れてうっすらと北側カールルートと稜線ルートが見えています。
黒部五郎小舎から黒部五郎岳カールコースを進みます。五郎平の草原から樹林帯の中に入り、小さな沢を二つ越えて灌木帯を抜けると正面に黒部五郎岳が大きく迫ってきます。ここから山頂までは1時間50分見れば登頂出来ます。
モレーンを越えた辺りで黒部五郎岳カールの全貌が姿を現します。草原地帯に点在する羊背岩を横切りながらカール内を登ります。この辺りは五郎沢右俣の源頭部で、濃霧時下山に使う場合、沢に入り込まない様に注意が必要です。
雪渓が融け小川となって流れています。水場としても使え休憩の絶好のポイントです。周辺の草原にはコバイケイソウの大群落、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲなどがお花畑を作っています。登山道は右手側の草地を登っています。
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双六岳・三俣蓮華岳から黒部五郎岳ルート地図
双六岳・三俣蓮華岳から黒部五郎岳ルート詳細情報
ルート | 双六小屋(標高2,600m)⇒双六岳(標高2,860m)⇒丸山(標高2,854m)⇒三俣蓮華岳(標高2,841m)⇒黒部五郎小舎(標高2,350m)⇒黒部五郎岳(標高2,840m) |
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コースタイム | 登山:双六小屋⇒黒部五郎小舎(黒部五郎岳カールコース)⇒黒部五郎岳 5時間10分 下山:黒部五郎岳(稜線ルート)⇒黒部五郎小舎 1時間10分 |
駐車場 | 新穂高温泉登山者用駐車場の詳細はこちら |
核心部 | 特にありません。 |
難易度 | [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 1 |
飲料水必要量 | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:1.59リットル、体重60kgの人:2.07リットル、体重75kgの人:2.55リットル |
消費カロリー | 5Kgの荷物を背負う場合 体重45kgの人:2.966Kcal、体重60kgの人:3.856Kcal、体重75kgの人:4.746Kcal |
燃焼脂肪量 | 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果 体重45kgの人:0.423kg、体重60kgの人:0.550kg、体重75kgの人:0.678kg |
標高差 | 距離 12km 最大標高差 522m 平均斜度 全体:-0.7% 上り:17.1% 下り:17.9% 獲得標高 上り:968m 下り:1085m |
山小屋 | わさび平小屋 鏡平山荘 双六小屋 黒部五郎小舎 三俣山荘 太郎平小屋 |
登山口までのアクセス |
新穂高温泉へのアクセスの詳細はこちら 新穂高ロープウェイ公式サイト |
双六岳・三俣蓮華岳から黒部五郎岳登山ルートの「高山植物」
![]() ハクサンイチゲ |
![]() ハクサンフウロ |
![]() ミヤマリンドウ |
![]() イワツメグサ |
![]() ヨツバシオガマ |
![]() ミヤマキンポウゲ |
![]() シナノキンバイ |
![]() タカネヤハズハハコ |
![]() ウサギギク |
![]() ミヤマダイコンソウ |
![]() チングルマ |
次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。
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