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大谷原から鹿島槍ヶ岳

大谷原から鹿島槍ヶ岳登山ルート概要

登山ツアー情報

鹿島槍ヶ岳登山ツアー

東北・関東・東海発 鹿島槍ヶ岳登山ツアー 

登山コース案内

登山口となる大谷原には公共交通機関が無いのでマイカーまたはタクシーとなります。登山口周辺には約20台駐車可能なスペースがあり、公衆トイレも完備しています。

大谷原から鹿島槍ヶ岳までの標高差は1,700mを越えています。後立山連峰の主稜線上にある冷乗越(つべたのっこし)まででも標高差が1356mになるため、日帰り登山はかなり困難です。

急登が続く赤岩尾根は、北アルプス三大急登の一つ。裏銀座コースの起点となるブナ立尾根、表銀座コースの起点となる合戦尾根などと並び、息もつかせぬ登山者泣かせの急斜面が連続します。そのため多くの登山者は、冷池山荘に宿泊して鹿島槍ヶ岳南峰をピストンしています。マイカーでなければ爺ヶ岳を経由して柏原新道で扇沢に下山するのがお薦めです。

大谷原を出発し、西俣出合までは林道を歩きます。林道は大雨の後の落石に注意が必要です。 赤岩尾根ルートは、樹林帯の中に設置された鉄製・木製の階段が幾度となく現れる急坂です。また、6月末まで残雪がある為、下山時の滑落事故が多発している様です。

高千穂平で針葉樹林帯を抜け、展望が開けます。正面に開ける光景は、北俣本谷から突き上げる鹿島槍ヶ岳東尾根と鎌尾根の懸崖が実に悠然と重い。高千穂平は、鹿島槍ヶ岳の良い展望台であると同時に休憩場所を提供してくれます。

高千穂平から赤岩尾根に入り、やせ尾根を登ります。別名「長ザク尾根」呼ばれた赤茶けた山腹に切られた登山道は滑りやすく下山時は特に要注意です。

冷乗越/赤岩尾根分岐の稜線に飛び出すと、富山県側の展望が開け、真正面に立山三山や剱岳が姿を現します。ここから北進すれば鹿島槍ヶ岳、南進すれば爺ヶ岳です。 冷乗越/赤岩尾根分岐から北に目をやると、赤い屋根の冷池山荘と、その少し上に色とりどりのテントが張られているのが確認できます。

冷池山荘から布引山を越え、鹿島槍ヶ岳南峰までは概ねなだらかな登山道で、周辺には高山植物が咲き誇るお花畑が広がっています。

柏原新道を登山口として爺ヶ岳を経由して鹿島槍ヶ岳南峰に至るルートは、鎖場や梯子は無く北アルプスの入門コースです。 一方、鹿島槍ヶ岳南峰と鹿島槍ヶ岳北峰を結ぶ吊尾根を越え、八峰キレットを通過して五竜岳へ至ルートは、鎖場や梯子が多く、小さな登り下りの連続で予定以上の時間がかかることを想定した登山計画を立てることが必要です。





画像一覧

大谷原から出発します。約20台駐車できます。登山口までは公共交通機関が無く、タクシーがマイカーのアクセスのみです。JR 信濃大町駅からタクシーで30分、約5500円です。

大谷原にある公衆水洗式トイレ。大冷沢(おおつべたざわ)に架けられた橋を渡って林道に入ります。大谷原ルートは鹿島槍ヶ岳への最短距離のコースです。

大谷原から林道に入ると間もなくゲートがあり、一般車の進入は禁止です。登山口から西俣出合まで標高差約200mを大冷沢の左岸(右手側)を約1時間かけて林道歩きです。林道の先に後立山連峰の主稜線が見えています。

赤岩尾根には毎年6月下旬まで残雪があり、特に下りの時に多くの滑落事故が起こっています。という注意を促す看板が立てられています。

北俣本谷と西俣の合流地点で林道が終点となり、砂防堤の一部に作られたトンネルを抜けると赤岩尾根登山道が始まります。このトンネルが出来たことにより、大雨による増水時にも難なく北俣方本谷を超えられるようになりました。

西俣出合で、北俣本谷を左岸から右岸へ渡ります。赤岩尾根登山道出発地点。別名「長ザク尾根」と呼ばれ、急登ですがよく整備されています。

樹林帯の中の急登りが始まります。概ね西俣沢側の尾根筋に沿って登山道が付いています。展望の効かない急斜面が高千穂平まで付き合いきれないほど続きます。

九十九折りの登山道には繰り返し梯子が現れます。深い樹林帯の道は、爽やかな緑が強い日差しを和らげています。

シャクナゲが現れる辺りから木製の階段や金属製の階段が何度も出てきます。

登山道には所々簡単な岩場の通過があります。高度感は無く簡単に登れますが、特に下山時には岩が濡れていると滑りやすいので注意が必要です。

木製の階段ですが傾斜が緩い為高度感はありません。

再び木製の階段です。少し壊れかかっていますが、問題ありません。

しっかりした金属製の階段です。樹林帯の中で高度感なく安心して登れます。

更にその上に金属製の階段があります。

更に木製の階段です。特に問題とするほどでもない梯子です。樹林帯の中を登るので展望がなく、やや退屈です。

「公園」と呼ばれるやや平坦な所で休憩に向いています。ザックを下ろして一休みしたら出発します。さらにその先には金属製の階段があります。

針葉樹林帯の登りが続きます。

大きな岩が幾重にも折り重なった所を越えて進みます。

この辺りで針葉樹林帯を抜け、北俣本谷側に変わります。そして比較的背の低い樹木に樹相が変化してきます。更に木製の階段が続きます。

この階段を登ればあと少しで閉ざされていた展望が一気に開ける高千穂平です。

ゴツゴツとした岩が転がる所を超え、呼吸も荒くなり登りに疲れを感じ出せば、間もなく展望台の高千穂平があります。

標高2049mの高千穂平。平坦な場所で展望も良いので、休憩の最適地になっています。麓の大町市は晴れていても、長野県側の北俣本谷からガスが湧きやすいので、大展望を楽しむためには早めの出発が必要です。

高千穂平から北俣本谷を隔てて望む鹿島槍ヶ岳。ガスの間から僅かに山頂を捉えることが出来ました。苦労が報われる瞬間です。これから赤茶けた岩場の赤岩尾根を登りますが、右手側に鹿島槍ヶ岳が見えています。

赤岩尾根の稜線を登ります。稜線の両脇はハイマツが多く、ダケカンバやナナカマドなどの灌木がいたるところに生えています。9月終わりになるとこれらの葉が紅葉し、鹿島槍ヶ岳とのコラボレーションは又見事です。

狭い稜線上に架けられた鉄階段です。

右手側に後立山連峰の稜線が見えています。ガスが無ければ展望良好な赤岩尾根です。

赤土のため赤岩尾根の名が付いたのでしょうか。この辺りの山全体が赤茶けた岩で覆われています。

稜線に冷乗越を示す指導標が見えてきました。この周辺はナナカマドやダケカンバが多く、秋の紅葉シーズンには黄色と赤の錦繍の世界に変わり素晴らしい光景となります。

北俣本谷の先に新緑に燃える山肌と残雪の輝く鹿島槍ヶ岳北峰が雲の切れ目から姿を現しました。

ハクサンオミナエシが登山道脇を埋め尽くすように咲いていました。

右手方向の後立山連峰主稜線上に冷池山荘が小さく見えてきました。

赤ザレた砂礫地に架けられた木製の階段です。ここで赤岩尾根に設置されたすべての梯子や階段は終わりです。

簡単な鎖場を登り、左側へのトラバース気味に回り込みます。

簡単な鎖場を登り切り、右手上方に向け赤茶けたザレ場をトラバースします。難易度は高くありませんが、もろい岩場が多く、時折、転落事故が発生している場所です。

鎖は付いていますが、登山道の幅は広く谷側の傾斜も緩いので慎重に進めば問題なく通過できます。

トラバースはこの先でも続きます。浮石が多いので、特に下山時にはスリップしやすく、転倒に注意が必要です。

次第に傾斜が緩み、最後のトラバース区間を通過し、大きく左側に回り込めば主稜線上の冷乗越/赤岩尾根分岐が見えてきます。

ハイマツが覆う斜面の先に後立山連峰主稜線に立つ冷乗越/赤岩尾根分岐の指導標が見えてきました。

冷乗越/赤岩尾根分岐に到着です。稜線を右手方向に行けば鹿島槍ヶ岳、左手方向に行けば爺ヶ岳です。正面に青空を突き抜く剱岳とその左手の立山三山が厳しかった苦労をねぎらってくれるかのように登山者を迎えてくれます。

冷乗越/赤岩尾根分岐から一旦下ります。赤い屋根は冷池山荘です。雲に隠れて鹿島槍ヶ岳が見えないのが残念です。

冷池山荘を望遠で撮影。稜線の西側に建つ小屋の少し上にテント場も見えます。

冷乗越/赤岩尾根分岐から一旦下り、樹林帯を登り返すと冷池山荘です。

冷池山荘は定員250名の比較的大きな山小屋です。テーブルとベンチの置かれた休憩スポットは、ここと小屋の右手側にあります。

冷池山荘の東側に作られた展望台から望む鹿島槍ヶ岳。双耳峰になっているのがよく分ります。

冷池山荘の宿泊届けを済ませたら、不必要なものは小屋に置き、サブザックに水や雨具を詰めて鹿島槍ヶ岳を往復します。

東側が切れ落ちたザレた斜面を通過し、振り返ると冷池山荘の赤い屋根が見えています。その先に稜線を辿ると三つのピークからなる爺ヶ岳が望めます。

冷池山荘から鹿島槍ヶ岳方面に8分登ったの所にテント場があります。左手側の展望が開けた場所にあり、剱岳や立山方面が一群となって視界に収まる場所ですが、風の通り道になっているため、強風時には注意が必要です。トイレや水場はここには無く、小屋まで戻らなければなりません。

登山道の周辺はお花畑が発達しています。手前の小ピークが布引山です。その先に、二つピークを連ねているのが鹿島槍ヶ岳です。

左手前のピーク布引山が次第に近づいてきました。7月下旬頃からコバイケイソウの白い花が群落を作り、広い斜面を覆います。

振り返ると北峰・中峰・南峰からなる爺ヶ岳が見えています。この辺りは二重山稜が見られ、高径草原が広がる場所です。

高径草原の広がる穏やかな稜線からハイマツ帯に樹相は変化します。ハイマツ帯の中に刻まれた登山道が布引山に向け伸びているのが見えます。

ハイマツに覆われ大きく展望の開けた稜線は、柔和な表情を見せて布引山へ登山者を導いています。

布引山中腹から振り返る。三つのピークからなる爺ヶ岳から後立山連峰の主稜線は右手側に大きくカーブを描いて、針ノ木岳や蓮華岳へと連なっています。稜線上の鞍部に種池山荘が小さく見えます。

ハイマツ帯の砂礫の道をジグザグを切って登ればあと少しで布引山です。

布引山山頂から双耳峰の鹿島槍ヶ岳を望む。正面が南峰、右奥が北峰です。この周辺は、イワツメクサ、タカネツメグサ、キバナノカワラマツバなど高山の砂礫地に特有な高山植物が強風に合わせて、身を震わせながら咲いています。

鹿島槍ヶ岳南峰に向けなだらかな稜線上のトレイルを辿ります。小さなピークを三つ越えていきます。非対称山稜が顕著に見て取れます。右手の信州側は険しい急崖であるのに対し、左手の黒部側はなだらかなスロープを作っています。

鹿島槍ヶ岳南峰までハイマツの中に刻まれたトレイルで、小さなコブ三つを超えて登っていきます。

多くの登山者を魅了してやまない天上の別天地といえる初心者向けの穏やかなルートです。

ミヤマアキノキリンソウ、ヤマハハコ、トリカブトなどの高山植物が百花繚乱と開花する色鮮やかな姿がまぶしいです。

なだらかな登山道を登れば鹿島槍ヶ岳南峰です。

小さな岩がゴロゴロしたガレ場を登り上げれば標高2889メートルの三角点の設置された鹿島槍ヶ岳南峰です。

鹿島槍ヶ岳南峰から振り返る。うねる様に後立山連峰の稜線が伸びています。針ノ木岳や蓮華岳が確認出来ます。昼近くになると長野県側からガスが沸いてくるのが後立山連峰の特徴で、登山者泣かせともいえます。

鹿島槍ヶ岳南峰山頂です。遠望は立山連峰から右手方向に連なる剱岳です。多くの登山者は冷池山荘から南峰までをピストンしています。北峰から八峰キレットを経由して五竜岳へ向かう登山者は、めっきり少なくなります。

鹿島槍ヶ岳南峰から望む鹿島槍ヶ岳北峰。左手下には岩峰を連ねた八峰キレットが山岳美とスリルに満ちた迫力で見えています。鹿島槍ヶ岳南峰からキレット小屋までのルートも参照してください。

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大谷原ルート地図

大谷原ルート詳細情報

ルート 大谷原(標高1,132m)⇒西俣出合⇒高千穂平(標高2,049m)⇒赤岩尾根分岐/冷乗越(標高2,488m)⇒冷池山荘(標高2,387m)⇒布引岳(標高2,683m)⇒鹿島槍ヶ岳南峰(標高2,889m)
コースタイム 登山:大谷原⇒鹿島槍ヶ岳南峰 8時間10分
下山:鹿島槍ヶ岳南峰⇒大谷原 5時間50分
核心部 特に難しい所はありません。ただし、6月末まで残雪がある為、赤岩尾根の下山は要注意
難易度 [登山道(一般道)を10段階で表示 特に鎖場の岩登り] 西俣出合から高千穂平の梯子2、 冷乗越から鹿島槍ヶ岳南峰1
飲料水必要量 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:3.50リットル、体重60kgの人:4.55リットル、体重75kgの人:5.60リットル
消費カロリー 5Kgの荷物を背負う場合
体重45kgの人:6.510Kcal、体重60kgの人:8.463Kcal、体重75kgの人:10.416Kcal
燃焼脂肪量 5Kgの荷物を背負う場合のダイエット効果
体重45kgの人:0.930kg、体重60kgの人:1.209kg、体重75kgの人:1.488kg
標高差距離 8.7km 最大標高差 1760m 平均斜度 全体:20.3% 上り:22.8% 下り:10.2% 獲得標高 上り:1802m 下り:66m
山小屋 五竜山荘  冷池山荘 八峰キレット小屋
大谷原 JR信濃大町駅からタクシー 30分 約5,500円
【タクシー会社】
アルプス第一交通 TEL:0261-22-2121
信州名鉄交通株式会社 大町支社 TEL:0261-23-2323

大谷原から鹿島槍ヶ岳登山ルートの「高山植物」

シモツケソウ
シモツケソウ
ハクサンオミナエシ
ハクサンオミナエシ
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
コバイケイソウ
コバイケイソウ
イブキジャコウソウ
イブキジャコウソウ
チングルマ
チングルマ
アオノツガザクラ
アオノツガザクラ
ウサギギク
ウサギギク
エゾシオガマ
エゾシオガマ
モミジカラマツ
モミジカラマツ
クルマユリ
クルマユリ
トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ
イワツメクサ
イワツメクサ
タカネバラ
タカネバラ

タカネツメグサ
ヤマホタルブクロ
ヤマホタルブクロ
ミヤマホツツジ
ミヤマホツツジ
キバナノカワラマツバ
キバナノカワラマツバ
ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウ

次はどこの山へ行こうかな。行きたい山がすぐに見つかる。

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鹿島槍ヶ岳は
「35.鹿島槍・五竜岳 北アルプス」に収録されています。
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