右手に剱岳や立山連峰を見ながら唐松岳頂上山荘を出発し、正面右奥の五竜岳を目指します。正面のピークの牛首は右側を巻きます。八方尾根を登り唐松岳頂上山荘までのルートも参照してください。
牛首の右を巻きます。ここからアップダウンを繰り返し、五竜岳まで約3時間半のコースタイムです。
牛首山の右を巻きます。コースは痩せた岩稜が連続する難所で、主に黒部側に付けられています。五竜岳を起点にしても所要時間に大差はありません。
牛首を通過すると直ぐにガレ場の鎖場が連続します。所々に浮石や不安定な岩があるものの登山道はよく整備されているので注意して下れば問題ありません。
ここからスリルに満ちた岩稜歩きの始まりです。赤茶けた岩場に鎖が見えています。トラバース気味に岩場を下降します。谷側の斜面はそれほどきつくないので高度感はあまり感じません。
稜線の右手側に架けられた鎖を頼りに下降していきます。奥の岩場にも鎖が架けられています。
前の画像を近くから撮影。稜線の黒部側に十分な幅の岩棚があり、そこをトラバースします。谷側の傾斜は強く無い為、高度感はありません。
トラバース中間地点から振り返って撮影。
二つ前の写真の岩場の先端部。この岩を乗り越します。
前の写真の岩場の先端部に立ち振り返って撮影。ここから見ると断崖絶壁に見えますが、難易度は高くありません。
岩場の先端部からの下り。やはり鎖が架けられていますが、斜度は弱まっています。この先も鎖場になっていますが、更に傾斜は緩くなってきます。
下った所から振り返って撮影。見上げた方が急斜面に見えます。
ここにも鎖が架けられています。ここは鎖をほとんど使う必要がありません。正面の小ピークが大黒岳です。
前の写真の下りた所から振り返って撮影。ガレ場ですが、スタンスは豊富で難しい下りではありません。
ここにも鎖が架けられています。岩場の初めがややきつい斜面です。後半は特に鎖を使う必要はありませんが、浮石が多く、転倒に注意です。
ややきつい傾斜です。鎖場を下りた所から振り返って撮影。鎖場上部がややきつい傾斜です。
しばらく鎖場の無い稜線の下りが続きます。左手側は断崖絶壁になっているので登山道は稜線から少し離れ右手側に作られています。右手側にはハイマツ帯が広がっています。正面の小ピークが大黒岳です。
大黒岳の鞍部に向け下って行きます。大黒岳は黒部側を巻く様に通過します。山頂や稜線が朝の斜光で輝く瞬間は荘厳で感動するほどの美しさです。
黒部渓谷を隔てて立山連峰が聳えています。右手から雲上にひときわ高く突き出しているのが剱岳、その左手側に立山三山の山並みが一群となって視界に収まります。
赤茶けた登山道をさらに下ります。大黒岳は右手側から巻きます。後立山連峰特有の非対称山稜が顕著です。黒部側は比較的なだらかなスロープを作るのに対し、長野県側は断崖絶壁になっています。
大黒岳の黒部側の斜面をトラバースします。いたるところに鎖場があります。谷側の傾斜はあまり強くないので、高度感は感じません。
鎖場を近くから撮影。写真に写っている以上に岩棚の幅は広く、通行に支障は感じません。高度感は無いので登山初心者でも簡単に通過可能です。
鎖場途中から振り返って撮影。スタンスの岩が逆相になっているためここが要注意箇所です。岩の表面が滑るので雨天時には十分注意してください。
トラバースは更に続きます。写真では分りづらいですが、ややきつい岩場を鎖を使って降ります。
振り返って撮影。ここもゴツゴツした岩で難しそうに見えますが、難易度は高くありません。
岩屑の斜面を左斜め上方に登って行きます。ここも鎖場ですが問題ありません。
左奥は唐松岳。大黒岳山頂は右手上です。
大黒岳を巻き終えるとハイマツの中を進みます。
最低鞍部に向け更に降ります。雲が湧く手前のピークが白岳でその先の鞍部に五竜山荘があります。
左方向へのトラバース。
ガレ場でスリップや転倒しないように慎重に高度を下げていきます。
稜線の右手側に登山道が付いています。手前のピークは右手側から巻きます。
右手側から鎖を使って巻いています。左側へのトラバースです。谷側の傾斜はあまりきつくありません。
前の写真の先端部。これを下ります。牛首から連続した鎖場はここで終了です。
鎖場を下りきった所から振り返って撮影。スタンスは豊富で、簡単に降りてこられました。あまり鎖は使われていないようで、鎖は赤茶け錆び付いています。
鎖場を下りた所から進行方向を撮影。正面の岩稜を登り返します。ゴツゴツとした岩場ですが簡単に登れます。
ゴツゴツとした岩場をペンキマークに沿って登ります。スタンスは豊富で、傾斜は緩いので鎖は架けられていません。
前の写真の岩場を登った所から撮影。最低鞍部まで比較的緩斜面の下りです。手前ピークが白岳で、以前、団体登山の一名が滑落死亡事故を起こした場所です。
ここまで下ると岩場は全く無くなり、難関ルートを制覇した感動で感無量の心境です。ハイマツ帯の中を登山道が筋状に見えています。最低鞍部から五竜山荘までは、小さなアップダウンを繰り返し進みます。
さらに下ります。今までとは打って変わって実に穏やかな登山道になって来ました。
最低鞍部が見えてきました。赤ザレた所の右側の斜面を彩る紅葉が美しい。前方には五竜岳が覆いかぶさんばかりにのしかかって来ました。
赤ザレた最低鞍部から登り返して稜線右側のハイマツ帯の中に入って行きます。
ここが後立山連峰で最も低い鞍部です。そのため最低鞍部と呼ばれています。正面のピークは右から巻き、ハイマツの中をトラバース気味に斜上します。
ハイマツの中を進みます。この辺りは足下の危うさは全くありません。
少しの区間、ダケカンバやシラビソの灌木帯に入り、再びハイマツ帯の中を進みます。左上のピーク白岳の黒部側斜面のハイマツ帯の中にうねる様に登山道が見えています。
背の低い樹林帯を抜けるとハイマツ帯になります。展望が良好で右手側には五竜岳の雄姿を常に見ての山行です。
左上が白岳。白岳の黒部側の斜面に生い茂るハイマツ帯の中を右斜め上方にゆっくりと登って行きます。五竜岳が美しい。
ハイマツ帯を抜けた先に白馬五竜スキー場を登山口とする遠見尾根が主稜線と交わる遠見尾根分岐があります。そして、眼下に五竜山荘が見えてきます。
白岳近くの五竜遠見分岐から数分下った所に五竜山荘があります。五竜山荘の宿泊手続きを終えたらサブザックに水と雨具を入れて五竜岳へ向け出発です。ここから山頂まで約2時間のコースタイムで往復出来ます。
五竜山荘からの登り始めは黒部側に付けられた傾斜の緩い登りです。強い季節風で極めて低くなったハイマツの間を登っていきます。
G0と名が付く正面の岩尾根に鎖が架けられています。高度が上がるに従って岩場と砂礫地だけの世界になってきます。五竜岳山頂はG3の名が付いて、その手前の岩尾根のピークが順次 G0、G1、G2の名が付いています。
G0の岩尾根を巻く様に登ります。岩場の上部が鎖場です。
谷側の傾斜は緩く、高度感はありません。スタンスは豊富で難しくありません。
G1と呼ばれるピークも黒部側を巻く様に登ります。右手前方のゴツゴツした岩場を越えます。
突き当たった岩峰G2ピークも黒部側を絡んで登ると、威風堂々とした五竜岳山頂が見えてきます。しばらく緩斜面を登ると向こう側の鞍部に出ます。
G2ピークを超えると稜線上にある鞍部に出ます。五竜岳山頂部の岩峰は左側から登ります。
山頂直下の岩峰は、初め大小様々な岩がゴロゴロした緩斜面です。正面ピークに向け登ります。
五竜岳山頂部のゴツゴツした岩場は、黄色の丸に沿って登ります。この辺りから傾斜が増し、鎖場が出てきます。
鎖に沿って右上方に登ります。やや高度感はあるものの、三点支持を守って登れば問題無く通過出来ます。この岩場が核心部といってよいでしょう。
鎖場を通過すると狭い岩の間を抜けます。上部は鎖場になっています。
鎖場を登り切った所から振り返る。鞍部に五竜山荘が見えています。右手ピークがG2、その奥のピークがG1です。
鎖場を通過し、核心部は終了です。岩場の登りはまだ続くものの、次第に傾斜が緩んできます。黄色い丸に沿って登ります。
スタンスの豊富な岩場を登り切ると鹿島槍ヶ岳分岐の道標が立つ地点に飛び出します。その30mほど先が三角点のある五竜岳山頂です。
鹿島槍ヶ岳分岐から望む五竜岳山頂。五竜岳頂上は縦走路から約30メートルほど進んだ奥まった場所にあります。山頂からの眺望はキレット小屋から五竜岳のページをご覧ください。