御嶽山とは

御嶽山は、長い裾野を広げて長野県木曽郡木曽町・王滝村・三岳村・開田村と岐阜県下呂市・高山市にまたがる壮大・優美な山容を見せる独立峰です 。

日本百名山にも選ばれている御嶽山は、「木曽の御嶽山」とも呼ばれ、一つの独立峰では日本最大の山域で、山頂部は東西1km、南北4kmに広がり、頂稜部には最高峰である剣ヶ峰(標高3,076m)を始め、摩利支天山(標高2,959m)、継子岳(標高2,859m)、アルマヤ天(標高2,897m)、継母岳(標高2,867m)などの峰々が外輪山を形成しています。

御嶽山の登山口は大滝口、黒沢口、開田口、日和田口、濁河温泉などがあります。

噴火の危険があるため、東面から北面にかけて登山道が付けられています。どのコースから登っても危険個所は無く、登山初心者でも安心して登れる山です。

御嶽山は、信仰の山である為、登山口から中腹にかけて霊神碑が林立し、登山道のいたるところに御嶽信仰に関わるものを目にします。

木曽の御嶽山は北アルプス最南端に位置していますが、北アルプスに含まれるかは明確な結論が出ていません。

御嶽山の地図

御嶽山の山小屋

北アルプス山小屋
女人堂
女人堂
北アルプス山小屋
石室山荘
石室山荘
北アルプス山小屋
御嶽 五の池小屋
御嶽 五の池小屋

噴火後の御嶽山

火山灰で覆われた御嶽山

木曽御嶽山の最高峰(標高3,076m)剣ヶ峰は、2014年9月27日に起こった大噴火により火山灰に覆われ荒々しい姿に変化しました。(2016年7月20日、摩利支天乗越から撮影。)

緑色の部分はサイノ河原です。 左手側にサイノ河原避難小屋が小さく見えています。

二ノ池本館は、ほぼ全体が火山灰で覆われてしまったのが分かります。二ノ池新館は火山灰が降った境界部分にあるように見えます。

 二ノ池本館は建て替えられて二ノ池山荘として新たに営業を再開しました。また、二ノ池新館は、経営者が変わり二の池ヒュッテとして再出発しています。 

噴火による登山規制 2023年4月時点

噴火による登山規制 2023年4月時点
青色の登山道が入山規制 2023年4月時点

2023年中に噴火の状況を見て、大滝頂上と剣ヶ峰間の規制を解除するか検討中です。

黒沢口登山道

2023年4月時点で、黒沢十字路と王滝頂上間の登山道は立入禁止で、通行できません。7月1日から10月中旬頃までの期間は、濁河温泉や御岳ロープウェイ側から入山すれば黒沢十字路から御嶽山(剣ヶ峰)への登頂は出来ます。それ以外の期間は黒沢十字路で入山規制がなされます。パトロール隊員の関係でこの様になっているようです。

王滝口登山道

2023年4月現在、7月10日から10月末までは王滝頂上へ上がれますが、それ以外の期間は7合目の田の原で入山規制がなされます。全期間を通して、王滝頂上と剣ヶ峰間、奥の院方面への登山道は立入禁止で、通行できません。

御嶽山の登山コース概要

王滝口ルート

御嶽剣ヶ峰山荘から八丁ダルミと王滝頂上、遠くに田の原駐車場を望む。

最も登山者の多い大滝口は、登山口の標高が全ルート中で最も高く、山頂との標高差が887mと小さいこと、展望が優れていること、大きな駐車場や公衆トイレ、宿泊施設などが完備している上、季節限定でバスが運行されているためアクセスが良いことなどが人気の理由でしょう。

ルート上に難所はなく登山初心者向けと言えます。

※ 写真の右手側から噴火があったため、2023年4月現在、王滝頂上と剣ヶ峰の間は通行禁止になっています。

御嶽山王滝口は田の原にあり、大型バスも駐車可能な駐車場(約200台)があります。 バスはJR木曽福島駅と登山口の田の原間を季節限定で運行されています。

7月中旬から9月上旬までは毎日1日3往復、9月上旬から10月下旬まで1日3往復土日のみ運行されています。

田の原には公衆トイレ、宿泊、昼食が摂れる御嶽観光センターがあり登山者の便宜を図っています。おんたけ2240スキー場は夏期営業をしていませんのでゴンドラリフトを使うことはできませんので注意してください。

田の原駐車場から鳥居をくぐり登山を開始します。 御嶽神社の田の原社務所を左手に見て、しばらくなだらかな参道を進みます。

参道からは正面に雄大に裾を広げる御岳山が見え、最高地点の剣ヶ峰は王滝頂上の先にあり確認できません。
田の原駐車場から平坦な参道を600mほど歩いた所に御嶽神社遥拝所あり、山頂まで行かない方はここでお参りを行います。
御嶽神社遥拝所から少し登った所から振り返ると、田の原駐車場・御嶽観光センターの先に三笠山の山頂にあるおんたけ2240スキー場のゴンドラリフトの終点駅が見えています。

良く整備された登山道を登り、大江大権現に吊るされた鐘をたたいて、笹の間の登りがしばらく続きます。 ダケカンバが見られるようになってきた所が標高2,380m地点でと呼ばれる赤土の露出したザレ場です。

「あかっぱげ」を過ぎると周りの木の高さが低くなり展望が開けてきます。 標高2,475m地点の8合目金剛童子辺りで森林限界を抜け、完全に展望が開けます。
8合目石室避難小屋を左に見送り、ハイマツの中を登ると雪渓が見えてきます。 雪渓の脇を登り、9合目石室避難小屋の前で王滝奥の院方面の指導標を見送ると、中央不動が建つ大のぞきに到着します。

大のぞきを過ぎ、王滝頂上山荘から少し上がった所が王滝頂上で、王滝頂上神社が建っています。

王滝頂上神社から八丁ダルミの先に剣ヶ峰が見えてきます。 八丁ダルミにある御嶽教御神火祭斎場の脇を過ぎ、剣ヶ峰のすぐ下にある御岳剣ヶ峰山荘、御嶽頂上山荘の二軒の山小屋を越えれば御嶽山の最高峰の剣ヶ峰に到着します。

御岳神社奥社が建つ剣ヶ峰山頂からは360度の大展望があり、特にニノ池の深い青色は印象的です。

※ 2014年の大噴火の時、噴火口となったのは地獄谷周辺で複数箇ヶ所におよんでいます。噴火口から近い八丁ダルミで10人、御嶽山山頂の剣ヶ峰周辺では最も多い31人の犠牲者が発見されています。

コースタイム

  • 登山:田の原駐車場→御嶽山(剣ヶ峰) 3時間00分
  • 下山:御嶽山(剣ヶ峰)→田の原駐車場 1時間50分

王滝口ルートの難易度

難易度 1/10

体力  1/10

黒沢口ルート

八合目女人堂(金剛堂)から望む御嶽山
八合目女人堂(金剛堂)から望む御嶽山

御岳ロープウェイの営業期間は6月末から11月上旬です。御岳ロープウェイ(黒沢口)を登山口とする場合、営業時期により御岳ロープウェイの始発が8:30分と遅いのが難点です。

7時00分始発となる土日や特定日があること、噴火の状況が安定すれば始発時間が早まる可能性があるためホームページをチェックして下さい。

出発が遅いと、山頂近くに登る頃には、ガスで辺りは真っ白という事も覚悟しなければなりません。

御岳ロープウェイ

梅雨明けの1週間を除いて、登山シーズンである夏の御岳山は、10時頃からガスに包まれやすい為、早立ちが望まれます。

御岳ロープウェイ夏期シーズン中の土日の始発時間はAM6時発です。 また、御岳ロープウェイの営業期間は6月上旬から11月中旬までで、スキー場としてスキーシーズンの営業は休止中です。

御岳ロープウェイのゴンドラを山頂駅(飯森高原駅)で降ります。雪解け時期になると飯森高原駅から四ノ池を源流とする「幻の大滝」を見ることが出来ます。ただし、遠くにあるため、双眼鏡が必要です。

整備された遊歩道を10分ほど登ると七合目行場山荘です。又、この滝を見るためには御岳ロープウェイの飯森高原駅からしか見れないと言われています。
七合目行場山荘の館外にはエコ有料公衆トイレが整備されています。

針葉樹林帯の登りがしばらく続き、針葉樹林から帯広葉樹林帯に変わった辺りから背の高い笹が生い茂ります。

七合目行場山荘から一時間ほどで八合目女人堂です。
※女人堂の名前の由来は、室町時代から始まった精進潔斎の一つである女精進からきていて、女性登拝者達が40日間の精進を経て八合目の金剛童子まで登ることができた。この為、八合目の休憩小屋は女人堂と呼ばれた。

八合目女人堂の裏で三の池方面の登山道を右手に見送り、霊神碑が多く祀られる阿波ヶ嶽辺りが森林限界で一気に展望が開け、ハイマツ帯の中の登りとなります。
ハイマツ帯の中に建つ鳥居をくぐり、次第にザレた登山道になると、辺りにはオンタデの群落が広がります。

神霊光清の脇を通り抜け、大きな岩がごろごろした登山道を登れば石室山荘です。 登山道は石室山荘の下で分岐していますが、石室山荘の館内を通り抜けて行ける様にもなっています。

覚明堂の上にある霊神場を越えればニノ池分岐です。覚明堂は尾張の行者覚明(かくみょう)が、江戸時代に尾張藩や幕府によって入山禁止となった御嶽山への登山を地域住民とともに開放に向かわせ、黒沢口登山道を整備した功績をたたえたものです。行者覚明は愛知県出身ということもあって、黒沢口登山道には名古屋周辺の先達を祀った霊人碑が五千基くらいあると言われています。

ニノ池分岐から数分上がると御嶽山山頂に建つ二軒の山小屋が直ぐそこに見えてきます。

※ 本来、黒沢口登山道と言うと黒沢口四合目から百聞滝道で油木美林を登るルートが古来からの信仰登山道でした。御嶽山で最も古くから開かれた登山道からは不易ノ滝、百聞滝展望台からは南俣川に落ちる大正ノ滝、雌蝶ノ滝、雄蝶ノ滝、百間滝など滝の競演の素晴らしい眺めがある静かな山旅を楽しむことが出来るルートです。

大滝川を堰き止めた大島ダムの東側にある集落が黒沢で、御嶽山の一合目に当たります。木曽総社御嶽神社、御嶽神社里宮、木曽御嶽本教総本庁など御嶽信仰の拠点となる施設が数多く存在しています。

コースタイム

  • 登山:御岳ロープウェイの山頂駅(飯森高原駅)→御嶽山(剣ヶ峰) 3時間20分
  • 下山:御嶽山(剣ヶ峰)→御岳ロープウェイの山頂駅(飯森高原駅) 2時間10分

黒沢口ルートの難易度

難易度  1/10

体力  2/10

③ 濁河温泉から小坂口ルート

滑りやすい木道が続く
滑りやすい木道が続く

濁河温泉を登山口とする小坂口ルートは、飛騨側から唯一開かれた御嶽信仰の古道です。代表的な大滝口ルートや黒沢口ルートなどに比べると標高差はあるものの、きつい登り部分がほとんどないのは良いのですが、五の池小屋まで全体として単調で変化に乏しいという欠点もあります。

 特筆すべきは、濁河温泉の源泉かけ流しの宿は他の登山口に無い魅力です。

濁河温泉には市営の無料駐車場が三か所あり、それぞれ登山口に近い順に約50台、朝日荘の上で湯元館の下に約8台、市営露天風呂駐車に約40台です。

市営露天風内とバイオトイレが完備した登山口には登山届が設置されています。
また、濁河温泉街の道路沿いからは濁河川を流れ落ちる「緋の滝」「白糸の滝」が見え、ぜひ立ち寄りたいものです。

標高1,800mにある濁河温泉には、湧出量豊富な源泉かけ流しの温泉宿が通年営業温泉街として軒を並べています。濁河温泉朝日荘がお薦めです。

濁河温泉登山口のバイオトイレと登山届の先にある橋を渡り、御岳神社里宮の上から登山道になります。 仙人滝分岐を過ぎると、濁河川の南側をトラバースするように遡上し、徒歩15分で仙人橋です。 仙人橋を渡ると木道が続き、雨の日は良く滑ります。ジョーズ岩、 湯の花峠、蛙岩を過ぎ、胡桃島(クルミジマ)口からの登山道を合わせる場所に、のぞき岩避難小屋が建っています。

のぞき岩避難小屋から木道の登山道を40分ほど登れば、八合目お助け水ですが、水は出ていません。
八合目お助け水の少し上で森林限界を越え、展望が開けると右手方向に摩利支天山の山腹が良く見えます。

摩利支天山と継子岳の鞍部に向けハイマツの中を登ります。 次第にザレ地となり、辺り一面コマクサの群落が広がる中を登れば五の池小屋です。

五の池小屋からは、広大な山頂部に点在する五つの池の一つニノ池を見て、本峰の剣ヶ峰へ登ります。

御嶽山は、富士山、立山、白山などと共に古くから信仰の対象とされた山で、山頂には御嶽神社奥社が祀られ、霊山としての厳かな雰囲気が辺り一面を覆います。

コースタイム

  • 登山:濁河温泉登山口→御嶽山(剣ヶ峰) 4時間50分
  • 下山:御嶽山(剣ヶ峰)→濁河温泉登山口 4時間20分

濁河温泉から小坂口ルートの難易度

難易度 1/10

体力  4/10 (日帰り)

④ 開田高原口ルート 

開田頂上の三ノ池
開田頂上にある三ノ池

開田口登山道は、登山口の標高1,495mが他の登山口に比べると遥かに低いためロングコースと言えます。岩場などの難所はありませんが、体力勝負のルートで中高年には向きません。そのため、登山者はあまり入っておらず、深い針葉樹林の原生林の静寂の中をひたすら登ることに馴れた熟練者向きのルートと言えます。

登山口近くに水場はありますが、三ノ池まで水の確保は出来ません。又、かつて避難小屋が途中にありましたが、現在は倒壊して存在していません。

コースは、九合目辺りまで針葉樹林帯のあまり変化の無い登りが続きます。森林限界を超えると黄色や白の花を咲かせる高山植物のお花畑が出迎えてくれます。更に登った所で、登山道は草に隠されて分りにくくなります。特に下山に使う場合には、ルートを見失う危険が高まりますから慎重に下ってください。

開田頂上南端に飛び出すと、辺りの景色が一変します。今回は、三ノ池、四ノ池、幻の大滝、継子岳、五の池小屋、摩利支天山と巡るルートを紹介します。

コースタイム

  • 登山:開田高原登山口→三ノ池 3時間20分 三ノ池→継子岳一周 1時間50分
    五の池小屋から摩利支天山 50分 合計:6時間
  • 下山:摩利支天山→三ノ池→開田高原登山口 3時間05分

開田高原口ルートの難易度

難易度 1/10

体力  4/10

油木美林から百間滝ルート

百間滝
百間滝(ひゃっけんだき)

百間滝バス停の駐車場から百間滝を展望し、行場山荘へ抜け、六合目中の湯に下山するルートを紹介します。

滝の展望ばかりではなく、油木美林と呼ばれる木曽檜の森も歩いてみる価値のある所です。檜の中には樹齢300年を超えるものもあると言います。

黒沢口は、江戸時代に覚明行者によって中興された御嶽山の中で最も古い登山道です。黒沢口四合目の百間滝バス停から油木美林遊歩道を歩いて七合目の行場山荘へ至るルートは、江戸時代末期には本道の様な賑わいを見せたと言います。

しかし、途中にある御嶽山中の最大の名瀑として名高い百間滝では、行者達が籠山修行の場としていましたが、百間滝へ通じる登山道が長野県西部地震で崩壊してからは講中の信者や一般登山者の足が遠のいてしまったのが現実です。

そして、御岳ロープウェイの開通によって近年では七合目の飯森高原駅から登山する人が多くなっています。

コースタイム

  • 一周 4時間45分

油木美林から百間滝ルート

難易度  2/10

体力  1/10

御嶽山の魅力

火口湖

山頂には一ノ池から六ノ池までの六つの火口湖があり、その中でも標高2,905m地点にある二ノ池は日本最高所の火山湖で、 三ノ池は日本最深の高山湖と言われています。コバルトブルーの美しい湖面が魅力的な三ノ池は一度訪れたい場所です。

一ノ池、五ノ池、六ノ池はほとんど水を湛えておらず、雨季にのみ水があります。四ノ池は 池というより小川が流れている場所と言った方が良いでしょう。

日本最高所の滝「幻の滝」

日本最高所の滝「幻の滝」

御岳ロープウェイ終点駅から継子岳の左手側の鞍部から流れ落ちる日本最高所の「幻の滝」を望む。

継子岳によって取り囲まれた四ノ池から流れ出す小川がまとまって1本となり、「幻の滝」となって流れ落ちます。

御嶽山の日帰り登山は出来る?

王滝口ルートなら剣ヶ峰までのコースタイムは往復で4時間50分です。 御岳ロープウェイを使った黒沢口ルートならコースタイムは往復で5時間30分です。濁河温泉から小坂口ルートならコースタイムは往復で8時間55分です。

従って、どのルートを使っても標準的な登山者であれば十分日帰りは可能です。

御嶽山の登山口近くの温泉

御嶽山は、現在でも噴火をしている活火山です。その周辺に、良質な泉質の温泉が湧き出ています。

代表的な温泉が濁河温泉(にごりごおんせん)です。

濁河温泉 朝日荘

濁河温泉 朝日荘

濁河温泉の朝日荘は、自家源泉と共同源泉の2種類の源泉を使って、100%源泉かけ流しの温泉です。

A5等級を使った飛騨牛の料理や、地元の山や飛騨地方で採れる旬の食材を盛り込んだ秘境ならではの料理は格別です。

濁河温泉市営露天風呂

濁河温泉市営露天風呂

日帰り入浴施設
営業期間:4月下旬~11月中旬 AM9:00~PM5:00
入浴料金:大人600円 子供300円
泉質・泉温:54度,ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー硫酸塩・炭酸水素塩泉、 加水・加温無しで源泉かけ流し

御嶽山の火山活動の歴史

御嶽山の噴火の歴史
御嶽山の噴火の歴史

円錐形コニーデ型火山の御嶽山

50万年前から活動が始まった円錐形コニーデ型火山の御嶽山は、一万年の眠りから覚め1979年10月28日に水蒸気爆発の噴火がありました。

火山灰は西風に乗って150キロ離れた関東北部まで達したと言われていますが、噴火による溶岩の流出は無く、人的被害はありませんでした。

その後、御嶽山の火山活動は沈静化し、八丁ダルミや地獄谷から時折噴煙が立ち上る程度でした。

沈黙を守ってきた御嶽山ですが、2014年(平成26年)9月27日11時52分、突如として大噴火を起こし、山頂近くにいた登山者の内58人死亡、5人行方不明という大惨事を招くことになります。

 その後、入山規制が敷かれ地域観光に大打撃を与えることになります。特に、御嶽スキー場は、入山規制の対象エリアとなり、存続の危機に立たされることになりますが、2015年には入山規制対象エリアが狭められ通常営業が出来るようになります。

各種情報

噴火速報アプリ

御嶽山登山ツアー

  • 御嶽山|登山・トレッキングツアー

役場

温泉宿の問い合わせ

登山届提出

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

御嶽山山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月-11.2-15.6-19.2
2月-10.4-14.0-20.5
3月-6.1-11.7-15.1
4月2.3-4.8-10.3
5月7.71.5-4.1
6月10.74.30.3
7月13.98.54.5
8月15.79.75.1
9月10.75.41.2
10月4.8-1.5-3.4
11月-1.2-6.3-9.5
12月-7.7-12.5-14.4

御嶽山へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラステント
1月×
2月×
3月×
4月×
5月
6月×××
7月××××
8月××××
9月××××
10月××××
11月×××
12月
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 御嶽山はたくさんの登山ルートがあり、かつ分岐する場所が多いので地図なしでは道間違いを起こしてしまいます。 登山地図は必ず持参してください。
レインウェア必須 森林限界を超える場所が多いため、天気の急変に備えてレインウェアは必携です。また、防寒着としても使えます。セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 稜線に上がると直射日光が強烈に降り注ぎます。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製、冬山ではフルフェイスタイプをお奨めします。
日焼け止め必須 森林限界を超えると直接日光が降り注ぐため紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 御嶽山は登山口以外に山頂まで水場がないコースもあります。天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。ただし、山頂周辺の山小屋で水を確保することは可能です。
ヘッドランプ必須 夜、電気が切れてしまう山小屋もあります。トイレに行くのに暗くて不自由な山小屋もあります。何かのトラブルで夜間の行動を余儀なくされた場合にも必携です。
行動食必須 コンビニでいくつか買っていくと便利です。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるもの。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品、山中泊をする場合にはコースタイムが長くなるので筋肉痛に備えてトクホンのような貼り薬。
ティッシュペーパー必須 登山中いきなりもよおした場合など、万が一の時のために必帯です。念のためポケットティッシュを3個ほど常備しておきましょう。山小屋泊の場合、いびきをかく人に備えて、ポケットティッシュを水で濡らし耳栓として使うこともできます。
防寒着薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。御嶽山では、7~8月でも最低気温が4度近くまで下がることがあります。軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアをその上に着ると更に保温性が高まります。
耳栓あったら良い 山小屋では大部屋が基本です。就寝時に いびきをかく人が必ずいます。耳栓の効果は絶大です。
カメラあったら良い 山旅の思い出にぜひどうぞ。撮影には片手で操作出来る軽いタイプの一眼レフカメラが向いています。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして、使用前の下着入れ、使用後の下着入れとして、登山日程に合わせて枚数を準備してください。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に一部負担金だけで済みます。

黒沢口二十二霊場

御嶽山には三十八の史跡があります。黒沢口に二十二史跡、王滝口に十六史跡です。車で行ける山麓の黒沢口史跡巡りには黒沢口1番から12番です。山頂周辺の史跡巡りは黒沢口13番から22番です。
その内の一部を紹介します。

黒沢口第三番 里社若宮 若宮祖霊殿

黒沢口第三番 里社若宮 若宮祖霊殿
黒沢口第三番 里社若宮 若宮祖霊殿

毎年7月19日に若宮の神殿で三岳夏祭りの祭事が行われます。社殿内にて御神楽が奉納され、子供相撲なども催されます。

黒沢口第四番 里社本社

黒沢口第四番 里社本社
黒沢口第四番 里社本社

手水舎の裏から始まる長い階段を登った先に社殿があります。

黒沢口第五番 開山堂

黒沢口第五番 開山堂
黒沢口第五番 開山堂

開山堂を作った先祖は恐らく覚明行者の開山に一役買った人物と思われます。

黒沢口第八番 松尾滝

黒沢口第八番 松尾滝
黒沢口第八番 松尾滝

かつてはこの滝で水行を行っていました。今日の水量はかなりありますが、普通はこの半分くらいです。

開田高原

開田高原は、御嶽山の東側標高1300mに広がる火山灰に覆われた農耕には適さない場所です。しかし、高地ゆえに冷涼な気温がそばの栽培に適し、肥沃とは言えない土地にもよく育つ「霧下蕎麦」が、夏の終わりになると高原を真っ白い花で覆います。開田高原には美味しい蕎麦を出す店が点在し、10月上旬の日曜日には、開田高原そば祭が開催されます。

開田高原では日本古来の馬である木曽馬が奈良時代よりも前から飼育され、明治時代には7000頭を数えるまでになりましたが、農耕での機械化が進むと共にその生産は激減し、絶滅の危機を迎えることになります。木曽馬の里の木曽乗馬センターを中心として木曽馬の保存が行われ、乗馬などで馬と触れ合うことが出来ます。

又、開田高原の歴史を学ぶには、開田郷土館や開田考古博物館などがあります。前者は、馬具、農具、民具、馬の医術書、純血の木曽馬「第三春山号」の剥製などが展示されています。

後者は、開田高原の旧石器時代の柳又遺跡から出土した石器や縄文時代の遺産を展示しています。その隣にある山下家住宅は、江戸時代末期に建設されたもので長野県の県宝になっています。 共に開館日は4月から11月末です。

登山口近くの御嶽明神温泉やまゆり荘では、源泉かけ流しの露天風呂があり、湯に浸かりながら御嶽山の眺望を楽しめばきっと下山後の疲れを癒してくれること請け合いです。

開田高原には御嶽山のビューポイントがいくつもあります。代表的な場所として木曽馬の里近くの地蔵峠、御嶽山城山展望台とその西の国道361号線沿いの古生代チャートの大弯曲がある九蔵峠展望台などです。

冬は継子岳の東側に広がる開田高原マイアスキー場で、標高2120mのコース山頂からパウダースノーの中を3200mのヒルダウンが楽しめます。