十二ヶ岳とは

十二ヶ岳は富士山の外輪山として形成された標高1,683mの山で、山梨県の富士五湖の一つ西湖の北側に位置しています。

毛無山と十二ヶ岳の間に於いては、特に十一ヶ岳と十二ヶ岳間が核心部で、コルには吊り橋が架かり、急傾斜の斜面にはロープ、鎖場などが連続する難ルートです。

十二ヶ岳のアクセスポイント

登山口は文化洞トンネル(毛無山登山口)と桑留尾(十二ヶ岳登山口)が一般的です。 無料駐車場のある文化洞トンネルからは毛無山を経由することになるため難易度が上がります。

毛無山までは樹林帯の登りの後、カヤトの斜面で展望が開ける初心者向きの簡単なルートです。

桑留尾(十二ヶ岳登山口)には駐車場がありませんが、登山口前の西湖温泉いずみの湯(入浴料1,000円)では、入浴することを条件に、無料で駐車ができます。

また、西湖温泉いずみの湯と文化洞トンネル(毛無山登山口)間の送迎を行っているので、お問い合わせください。TEL:0555-82-2641

西湖周遊バス 富士急行バス

※ 西湖周遊バスは各登山口を通りますが、西湖いやしの里 根場→文化洞トンネル(毛無山登山口)の一方向のみです。

十二ヶ岳の地図

十二ヶ岳の登山コース概要

文化洞トンネル(毛無山登山口)から毛無山経由ルート

十一ヶ岳と十二ヶ岳のコルに架けられたアルミ製の吊り橋
十一ヶ岳と十二ヶ岳のコルに架けられたアルミ製の吊り橋

文化洞トンネル(毛無山登山口)ルートは山梨県道21号沿いに無料駐車場があり、マイカーの場合にはここからが最も便利です。 長浜ルートの分岐を過ぎた辺りから傾斜は一気に増し、松林の中の急登が続きます。

傾斜が緩くなってからは適度なアップダウンを繰り返す度に毛無山が近づきます。 そして、左手には十二ヶ岳の急峻な山容が木々の間から見えてきます。

カヤトの斜面になると展望が開け、振り返れば正面の富士山を中心に、左下には河口湖、右下には西湖の深緑色の湖面が広がっています。
山頂直下で天神山へのルートを右に分け、平坦な山頂の毛無山に到着です。

毛無山からは稜線を歩くルートで、12個の小ピークが連続し、それぞれのピークには一ヶ岳、二ヶ岳、三ヶ岳の順に最高峰である十二ヶ岳と名が付いています。

九ヶ岳までは狭い稜線を適度なアップダウンを繰り返すルートで、南側には木々の間から富士山が見え隠れする快適なハイキングといった山行です。

しかし、この先は難易度が増し、十ヶ岳の北斜面のトラバース部分には4月1日時点で残雪があり、凍結していてロープにつかまりながらの慎重な通過を行います。
十一ヶ岳への登りは傾斜がきつく二箇所にロープが設置されていますが、さほど難易度は高くありません。

十一ヶ岳の下りから核心部が始まります。長いロープが設置された急傾斜の斜面は落石が起きやすく、十分注意が必要です。
この斜面を下り切った十二ヶ岳とのコルの部分は切れ落ちていてアルミ製の吊り橋が架けられています。 一人ずつ慎重に渡ります。橋の対岸は鎖場となっていて、鎖を頼りによじ登ります。
その後、何度も急傾斜の斜面に設置されたロープや鎖を使い、よじ登ると、平坦地の桑留尾分岐に飛出し、核心部が終わります。

この日の核心部の北面は凍結している箇所があり、一方で、日の当たる所はぬかるんでいるなど、この日に限れば難易度7としてもよさそうなルートでした。
核心部は夏でも難易度が高く、雪解けを待って好条件の時に登山することをお勧めします。

コースタイム

  • 登山:文化洞トンネル→毛無山 1時間40分 毛無山→十二ヶ岳 1時間30分 合計:3時間10分
  • 下山:十二ヶ岳→毛無山 1時間15分 毛無山→文化洞トンネル 1時間10分 合計:2時間25分

難易度 6/10

体力  2/10 (日帰り)

桑留尾(十二ヶ岳登山口)ルート

滑り止め用のロープ
滑り止め用のロープ

桑留尾(十二ヶ岳登山口)ルートは概ね樹林帯の中を登ります。振り返ると時折富士山が木々の間から覗いています。 コース全体として難易度は低く、十二ヶ岳への最短ルートで、2時間ほどで山頂に立てるため登山初心者向きです。

桑留尾ルートは 西湖温泉いずみの湯前から登山道が始まります。 概ね樹林帯の登りですが、山頂が近づくと数か所にロープが設置された所があります。
すべてにおいて高度感はなく登山初心者でも簡単にこなせるルートです。

山頂近くで振り返り富士山が見えだすと 毛無山分岐です。十二ヶ岳山頂はすぐそこです。

コースタイム

  • 登山:桑留尾→十二ヶ岳 2時間10分
  • 下山:十二ヶ岳→桑留尾 1時間30分

難易度 1/10

体力  1/10

十二ヶ岳から鬼ヶ岳経由で西湖いやしの里 根場へ下山

核心部をロープで降りる
核心部をロープで降りる

富士山の外輪山の鬼ヶ岳。 十二ヶ岳と鬼ヶ岳間の核心部は急斜面にロープが設置されています。斜面の長さは10mくらいで、きつい所で70度ほどありそうです。 急斜面を下ると登り返しがあり、そこにも鎖と梯子があります。

その他はルート上に難所は無く、展望の効く稜線上のルートです。鬼ヶ岳から根場いやしの里への下山は雪頭ヶ岳への下りに梯子がありますが、特に難所ではありません。

西湖いやしの里 根場と十二ヶ岳登山口(桑留尾)間には西湖周遊バスが走りますが、根場いやしの里⇒十二ヶ岳登山口の一方方向の便しかない為、マイカーの場合には西湖温泉いずみの湯に駐車することをお勧めします。

コースタイム

  • 登山:十二ヶ岳→鬼ヶ岳 1時間10分
  • 下山:鬼ヶ岳→根場いやしの里 2時間00分

難易度 7/10

体力  1/10

十二ヶ岳の日帰り登山は出来る?

桑留尾(十二ヶ岳登山口)からのピストンであれば、3時間40分です。文化洞トンネル(毛無山登山口)から毛無山、十二ヶ岳、鬼ヶ岳を周回して根場いやしの里へ下山するコースタイムは6時間20分です。従って、日帰り登山は十分可能です。

十二ヶ岳の登山口近くの温泉

西湖温泉いずみの湯

西湖温泉いずみの湯

日帰り入浴施設の「もみの湯」の泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉です。

宿泊者限定の貸切露天風呂や貸切家族風呂もあります。

利用料
大人(中学生以上)1,000円
小学生550円
幼児450円

営業時間 休館日
新型コロナにより変動しています。ホームページを確認してください。

駐車場
西湖温泉いずみの湯(入浴料1000円)では、入浴することを条件に、無料で駐車ができます。西湖温泉いずみの湯と文化洞トンネル(毛無山登山口)との送迎あり。
お問い合わせ TEL:0555-82-2641

富士眺望の湯 ゆらり

富士眺望の湯 ゆらり

富士山を見ながらの露天風呂は格別。湯舟の種類は全16種類。富士山の麓、地下1000mから湧き出る天然温泉です。

利用料
■ 10:00~19:00平日 1,400円  土日祝 1,700円
■ 19:00~平日 1,200円  土日祝 1,500円
(貸バスタオル・フェイスタオル付)

営業時間 休館日
年中無休
平日 10:00~21:00(最終入館20:00)
土日祝 10:00~22:00(最終入館21:00)

秀峰閣湖月

秀峰閣 湖月

正面に河口湖、その先に富士を望む絶景の温泉です。全ての部屋から河口湖を望み、その先に富士山が聳えます。露天風呂付客室もあります。

会席風に仕上げた料理は、旬の素材を取り入れ、年間8回の料理変更を行っています。

河口湖温泉旅館うぶや

河口湖温泉旅館うぶや

温泉から、お部屋から、ラウンジから、
館内どこからでも富士山を眺めて過ごせます。

泉質はカルシウム・ナトリウム・塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。

十二ヶ岳の天気の特徴

十二ヶ岳から富士山
十二ヶ岳から富士山

十二ヶ岳は晴天の確率は比較的高い

富士山の北部に位置する十二ヶ岳の山域は、日本海側特有の冬型気候の影響を受けにくいため積雪量はさほど多くありません。

6月から7月の梅雨明けまでは晴天率は低いですが、梅雨開けと共に晴天がしばらく続きます。また、秋や春も比較的晴天に恵まれます。しかし、12月上旬で初冠雪を見る年もあり、雨天だけではなく、強風などにも天候には十分な注意が必要です。

山の天気予報は難しい
山の天気予報は難しい

お薦めの天気予報

テレビで流れる天気予報やネットで得られる無料の天気予報は、一般的に平地を対象としたものです。 そのため、晴れの天気予報が出ていても、山ではガスってしまうことはよくあることです。 

そこで、おすすめなのがtenki.jpの有料バージョン(+more)です。これは、月間100円と安いですが、高層天気の予報のため精度が高いです。また、山の天気予報(月額300円)を併用すると更に精度が高まります。

各種情報

富士山登山ツアー

観光協会・観光案内所

登山届提出

山梨県山梨県警察
お問い合わせ:山梨県警察本部地域課
住所:〒400-8586 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(221)0110(代表)
郵送、電子メール、ファックスなので提出可能です。

登山地図のスマホアプリ

  • 山と高原地図のスマホアプリ
    昭文社から販売されています。山と高原地図ホーダイ - 登山地図ナビアプリ 定額(500円/月 or 4800円/年)で61エリアの「山と高原地図」が使い放題。山と高原地図[地図単品購入版]地図1エリア 650円。

十二ヶ岳山頂周辺の気温

最高気温平均気温最低気温
1月0.8-5.1-10.7
2月1.8-4.3-9.7
3月5.2-0.9-6.2
4月11.44.8-1.2
5月15.49.44.0
6月18.112.98.7
7月22.016.813.0
8月23.117.613.6
9月18.813.910.1
10月13.37.93.4
11月8.82.6-2.8
12月3.9-2.5-7.9

十二ヶ岳へ登るための装備と服装

軽アイゼン12本歯アイゼンピッケルサングラスツェルト
1月×
2月×
3月×
4月×××
5月×××××
6月×××××
7月××××
8月××××
9月×××××
10月×××××
11月××××
12月××
必須:◎ あった方が良い:○ あったら良い:△ 必要ない:× 

服装や装備品のチェックリスト

登山地図必須 登山地図を忘れると道迷いの原因に!十二ヶ岳のルートは多くの箇所に分岐があります。 登山地図を持って行かないのは命取りと言えます。
レインウェア必須 山の天候は急変します。天気予報で晴が出ていても
レインウェアは必須です。また、防寒着としても使えます。
セパレートタイプの通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。
帽子必須 森林限界以下で樹林帯の中のルートですが、直射日光が降り注ぐ場所があります。日よけ用のつばが広く軽いものをお奨めします。寒さが厳しいときは、耳を覆うニット製をお奨めします。
日焼け止め必須 十二ヶ岳は標高1,683mのため 森林限界以下ですが、春から夏場は紫外線が強いので必帯です。
飲料水必須 コース上に水場はありません。天気の良い日は少し多めに持って行きましょう。
登山計画に合わせて水の量を調整するとよいでしょう。
ヘッドランプ必須 何かのトラブルで夜の行動を余儀なくされた場合に必要です。
行動食必須 コースタイムは短いもののアップダウンが激しく体力を消耗しやすいルートです。パン・ナッツ類・野菜ジュース、飲むヨーグルトなど立ち休憩で食べられるものがお薦めです。
パックカバー必須 ザックが濡れないようにするためのザックカバーは雨に日には絶対必要です。ザックカバーも雨衣と同様に防水性が衰えてきます。時折、防水スプレーをするなどのメンテナンスが必要です。
救急薬品必須 切り傷、擦り傷にカットバン、絆創膏を持っていくと良いでしょう。虫刺され薬品も。
ティッシュペーパー必須 止血用などの万が一の時のために必帯です。
防寒着必須 薄手のフリース,セーター、軽いダウンジャケット。
十二ヶ岳山頂では、7~8月でも最低気温が13度近くまで下がることがあります。
軽くて保温性の高いものを選びます。ゴアテックスのレインウェアを
その上に着ると更に保温性が高まります。
手袋必須 鎖場に使います。革製の手袋がベストですが、軍手でもOKです。
耳栓不要 日帰り登山です。
カメラあったら良い 富士山の大パノラマなど山旅の思い出にぜひどうぞ。ウエストポーチに収納出来る大きさであることが望ましいです。
ビニール袋あったら良い ごみ入れとして2~4個あると便利です。
保険証(コピー)あったら良い 事故や遭難時に必要です。
サブザック不要 
シュラフカバー不要 日帰り登山です。

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